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専門分野 水圏動物生理学 の、高橋計介博士へのQ&Aです。

Q1.その水圏動物生理学について簡単に紹介してください。

    水に棲む動物の体内で起こる種々の反応とそれをつかさどる仕組みを生理学の観点から解明しようとする学問です。対象となる動物は水産有用種で、私は二枚貝類、特にカキを専門としています。また、生理学というのは大変幅広いので、全ての方面から一人で見ることはできません。そこで、私は、養殖カキを健康に育てるために役立つよう、カキの免疫あるいは生体防御を研究しています。

Q2.水圏動物生理学の研究者になった決め手は何ですか?

    卒論研究です。恥ずかしいけれど、私は3年生まで全くやる気のない劣等生でした。学校がつまらなかったのです。とりあえず卒業だけしようと思っていました。研究室も消去法で選びましたが、卒業論文に取り組んで、大学に来て初めて面白いと思いました。実験すること、結果を見て考えること、次に何をやるかを考えることなど、全部面白かった。クリスマスも正月も実験していました。結局、その延長です。未知の事柄を実験によって明らかにする時のワクワク感と、可能な限りきちんと証明できるように努力するけれど、思うようにならない時の辛さがたまらないです。

Q3.では、子供の頃になりたかった職業を教えてください。

    何か職業を思い描いた記憶はありません。インドア派で、かつ日本史が好きだったので中世史を勉強したいと思っていましたが、研究者までは考えていませんでした。海なし県の出身なので、海洋動物は知らなかったし、今に結びつくような意識はありませんでした。

Q4.ご自分を動物に例えるなら、何だと思いますか?

    これは一択で、カキです。じっとしていて、反応が薄く、生きているのか死んでいるのかわからない感じが自分と似ています。

Q5.博士にとって、1番大切な宝物(生き物でも物品でも)は何ですか?

    これは一般論としてですか?それなら、矜持です。博士というのはその分野で人よりはるかに優れた知識を持つもの、知見を得たものに与えられるものだと思います。少なくとも自分の分野においては、人より優れているという矜持です。

Q6.海外での経験をお聞きします。今までに訪問したことのある国を教えてください。

    アメリカ合衆国、カナダ、オーストラリア、タイ、ベトナム、シンガポール、インドネシア、中国、台湾、韓国、ドイツ、スイス、オーストリア、オランダ、フランス、イギリスです。

Q7.その中で、1番気に入った国はどこですか?

    難しいけど、タイかな?

Q8.それはどういうところでしょうか?

    親日、人が優しい、真面目、食べ物が美味しい。
 

Q9.おいしいな、と思った料理(食べ物)は何ですか?

    ベトナムのバインミー、フランスパンのサンドウィッチです。安いけれど、パンも中身の具も美味しい。ベトナムは3回行きましたが、毎朝食べました。

Q10.おいしそうに見えたのに、食べたらがっかりしたものはありましたか?

    あまりないですね。美味しそうなものは美味しく、不味そうなものはまずい、です。

Q11.海外滞在中に、再発見した日本(日本人)のよいところはありましたか?

    日本人はアジア人だなぁ、という感じです。ヨーロッパに代表される、いわゆる西洋人とは明らかにメンタリティーが違う。これは良くも悪くもです。性格は個々で違うけれど、根本的に日本人は同じだと感じました。

Q12.旅行(観光)に行くなら、お薦めの国はありますか?

    オランダです。徹底した個人主義、精神的にゆとりのある暮らし、でも生真面目なオランダ人の暮らしぶりを見るのはいいし、落ちつく風景を味わうのもいいと思います。

Q13.今、目の前にドラえもんの道具、「どこでもドア」があったら、どこに行ってみたいですか?

    どこでもドアって、好きな場所や時代に行けるやつ?南北朝時代の京都に行って、カオスな世界を体験したい。ただし、武士になれないと辛いだけですが。

Q14.食生活についてお聞きします。好きな料理や料理ジャンルは何ですか?

    和食です。全般です。カキは大好きです。体にも良いですから。

Q15.子供時代には嫌いだったけれど、大人になって好きになったものはありますか?

    きのこ類です。

Q16.また、今でも苦手なものはありますか?

    北関東人なのですが、納豆が苦手です。生卵もダメです。

Q17.最後の晩餐に、是非とも食べたいものを教えてください。

    三重県松坂市にある和田金のすき焼きです。

Q18.今、大学生に戻れるとしたら、何をしてみたいですか?

    語学をはじめ、もっと勉強したいですね。サボりすぎましたから。

Q19.今後、研究者として、どのように過ごしていきたいですか?

    歳をとったので、総説とかを書く機会が増えましたが、自分は原著論文を書き続けたいです。今年は2つがacceptされ、1つ執筆中です。老化との戦いです。

Q20.最後になりましたが、食の安全性とは、何だと思いますか?

    カキの研究をしていてノロウィルスの問題にも関わっているので、食の安全性は常に意識しています。よく安全・安心と言いますが、安心は心の問題で、どちらかと言うと文系マターですが、安全は私たちが頑張って担保していかなければならないものです。
    ゼロリスクが理想ですが、現実には難しいです。可能な限りローリスクにできる手法を確立すること、リスクがあった時にどうすれば回避できるかの道筋を具体的に示すことが重要だと思っています。
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