専門分野 森林分子生態学 の、陶山佳久 博士へのQ&Aです。
Q1.その森林分子生態学について簡単に紹介してください。
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DNA分析技術を使って森林を使って生き物がどのように生きているのかを解き明かす学問。応用的な面では、遺伝的な情報を使って森林生物の保全に生かすことができる。
Q2.森林分子生態学の研究者になった決め手は何ですか?
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森林を守るための研究をしたいと思っていた。その思いとは裏腹に、大学院からポスドク時代にかけて遺伝学的な手法を学ぶことになったが、その後その手法が分子生態学という分野として花開くことになり、自分の志向と持っている技術が一致して、今の研究分野を確立することとなった。
Q3.では、子供の頃になりたかった職業は何ですか?
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研究者
Q4.ご自分を動物に例えるなら、何だと思いますか?
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サル
Q5.最近の一番うれしかったことを教えてください。
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30年ほど前に図鑑で知った希少なマツが、ベトナム奥地の山中にだけ分布することは覚えており、「そんな場所に一生行けることはないだろうし、そのマツも実物を見ることはできないだろう」と思っていた。ところが昨年末に出張で当地を訪れ、そのままで全くそのことを忘れていたのだが、思いがけずそのマツを見ることができた。30年前の記憶が蘇って来て感動した。
Q6.では、最近の失敗談を教えてください。
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ある会議で、根拠のない科学的情報が不十分なまま発言をしてしまい、科学者として不適切な行動だったと深く反省した。
Q7.海外での経験をお聞きします。今までに訪問したことのある国を教えてください。
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中国、韓国、ベトナム、ラオス、タイ、マレーシア、インドネシア、ミクロネシア、ニューカレドニア(フランス領)、ニュージーランド、オーストラリア、モンゴル、ロシア、インド、シリア、トルコ、チェコ、オランダ、ベルギー、フランス、スペイン、イギリス、アイルランド、ノルウェー、スウェーデン、南アフリカ、カナダ、アメリカ合衆国、メキシコ、ブラジル
Q8.その中で、1番気に入った国はどこですか?
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スウェーデン
何度も訪問しているスェーデンのウプサラの風景。街中が美しい。
Q9.それはどういうところでしょうか?
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自然が美しい。人々が落ち着いている。デザインがいい。空気感が清々しい。
10.おいしいな、と思った料理(食べ物)は何ですか?
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(別の国ですが)この前ベトナムで食べたフォー。新鮮な野菜を自分で千切って乗せ、ライムを絞る。シンプルでヘルシー。
ベトナムの朝食で食べていたフォー。シンプルで非常においしい。新鮮な野菜を好きなだけ千切って自分で入れるというやり方が素敵。
Q11.おいしそうに見えたのに、食べたらがっかりしたものはありましたか?
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アメリカで食べたステーキ。見栄を張って高い金を払っただけに、ショックは大きかった。
Q12.海外滞在中に、再発見した日本(日本人)のよいところはありましたか?
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「奥ゆかしさ」というのは日本人の美徳の一つだが、海外では難しい感覚だと思ったことがある。食べ物は圧倒的においしいし安全。総合的に、しみじみいい国だと思う。
Q13.旅行(観光)に行くなら、お薦めの国はありますか?
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リッチに海辺でゆっくりできる人ならニューカレドニア(フランス領)。食べ物目巡りなら東南アジア各国やメキシコ。ビールならベルギー。トレッキングならニュージーランド。
ニューカレドニアのホテルのバルコニーで、美しい海を眺めながら食べる夕食。料理そのものよりも、このシチュエーションで食べる食事は何倍にも美味しく感じる。
Q14.今、目の前にドラえもんの道具、「どこでもドア」があったら、どこに行ってみたいですか?
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アクセス不能な奥地の手付かずの原始林の木の上。
Q15.食生活についてお聞きします。好きな料理や料理ジャンルは何ですか?
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和食
Q16.子供時代には嫌いだったけれど、大人になって好きになったものはありますか?
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魚
Q17.また、今でも苦手なものはありますか?
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あんこ。非常に辛い料理。
Q18.最後の晩餐に、是非とも食べたいものを教えてください。
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妻の手料理
Q19.今、大学生に戻れるとしたら、何をしてみたいですか?
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勉強
Q20.今後、研究者として、どのように過ごしていきたいですか?
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山ほどあるやりたい研究をやり残すことなくガンガン進めていきたい。
Q21.最後になりましたが、食の安全性とは、何だと思いますか?
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ヒトにとって最も重要なことの一つでありながら、実現が難しいことの一つで、もしかしたら最も贅沢なことの一つかもしれない。