動物環境システム学分野
Sustainable Animal Environmental Lab.

沿革

 本分野は、動物の個体および群の飼養管理と動物およびその環境の衛生管理を教育研究対象としている。本分野に関わる歴史は、川渡農場の前身である陸軍調馬隊設置に伴う鍛冶谷沢軍馬育成場が発足した明治17年(1884年)に遡ることができる。軍馬育成場は陸軍軍馬補充部鍛冶谷沢派出部にその後改称されたが、60年余りにわたって、馬を対象とした家畜の群管理が行われてきた。昭和19年(1944年)補充部内に陸軍獣医学校が設置されることに伴い牛の飼養が開始され、家畜の衛生に関する教育が行われた。
 陸軍獣医学校の廃止、宮城県管理川渡農場、東北帝国大学附属川渡農場、東北大学附属川渡農場を経て、昭和21年(1946年)に農学部附属川渡農場が設立され、昭和 25年(1949年)5月31日に公布された国立学校設置法により東北大学農学部附属川渡農場が設置された。

 この農場において、家畜の管理および防疫の実務および研究が、行われてきた。本業務および研究に携わったのは、藤田潯吉助教授(故人、元農水省家畜衛生試験場長:昭和23年2月15日-29年3月31日)、勝野正則助手(故人、元東北大学教授:昭和25年10月1日-26年12月31日)、安保圭一雇員(元岩手大教授:昭和23年2月1日-24年12月31日)、高橋貢雇員(麻布獣医学園理事長:昭和 23年6月1日-昭和 26年3月31日)、武安義生助手(故人:昭和27年8月1日-33年3月31日)、黒崎順二助手(故人:昭和23年1月31日-38年3月31日)、林兼六助教授(故人:昭和36年11月1日-57年11月8日)であった。

 昭和38年(1963年)4月1日、太田實技官が赴任し、同年6月に助手、昭和50年(1975年)に助教授に昇任し、農場内の家畜の管理および衛生に携わるとともに、牛の放牧、行動および繁殖管理をテーマとして、林兼六教授(兼任)とともに家畜管理学を担当した。  平成9年(1997年)4月1日、資源生物科学専攻の専任講座として生物共生システム科学講座が新設された。本講座は、おもに林地から耕地までの生態系を主領域とする生物共生科学分野と、草地から動物・家畜までの生態系を主領域とする資源動物群制御科学分野からなり、各分野には1名の教授と、助教授または助手が配置された。

 資源動物群制御科学分野の初代教授として、太田實助教授が昇任し、同年9月1日助教授として酪農学園大学峯尾仁助教授を迎えた。太田教授は、テレメトリーシステムを用いた、ルーメン運動の非接触的に計測などを通して、暑熱環境下のウシの生理や行動の研究、乳房炎の予防・治療を目的とした免疫学的な研究などを行った。平成10年(1998年)11月15日、峯尾助教授が辞職し、助教授はしばらく空席となったが、平成11年(1999年)8月1日、動物微生物科学分野より中井裕助教授を迎えた。平成12年(2000年)4月には仙台で研究を継続していた学生および院生も完全に移動し、その後順次、微生物実験室、アイソレーターと空調をもつ小動物飼育室、DNAシーケンサーなどを設置した遺伝子実験室、9m3汚水浄化実験槽、6m3コンポスト実験槽などの整備を進めつつ、原虫の遺伝子解析や環境微生物の生態および機能解析など、新しい研究テーマを展開した。同年7月1日、技術部の佐々木貴子技官が本分野に配置され、分子生物学研究の支援体制が整えられた。

 平成14年(2002年)3月31日太田教授が定年退官し、4月1日中井助教授が教授に昇任した。中井教授は、健康な家畜と健全な生産環境を作り出すことを目標に掲げ、「動物-微生物-環境」の相互関係の解明を課題とし、とくに、人獣共通感染症の起因微生物、畜産環境における病原体および機能性微生物を対象として、研究を開始した。平成15年(2003年)4月1日、農学研究科は再び改組され、本分野は動物遺伝育種学分野および動物生理科学分野とともに動物生産科学講座を形成するに至っている。なお2006年10月現在の教室員は教授1、技官1、秘書1、ポスドク1、大学院後期課程3、大学院前期課程6、学生2、計15名である

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