園芸学会平成10年度秋季大会の報告

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 1998年度の園芸学会秋季大会は,10月6日−8日に,新潟大学にて行われました.6日と7日の午前中に研究発表(発表課題数:果樹79,野菜103,花卉96,利用39,ポスター65),7日の午後にシンポジウム講演会,8日に見学会が行われました.本研究室では中国政府派遣研究員の李が野菜部会で発表しました.

このHPの編集者(西山)は参加しなかったため,研究発表要旨に基づいて李の発表内容を紹介します.


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研究発表
野菜部会

課題番号24 トマトの光合成産物転流経路上における可溶性糖と14C-糖の組成および変化
李 天来1・清野貴将2・大川 亘2・金浜耕基2(瀋陽農業大学1・東北大農学部2

 トマトの光合成産物の転流と分配について,これまでに明らかにしてきた転流経路に従って可溶性糖と14C-糖組成を調べた.光合成産物転流経路上における可溶性糖の組成として,葉肉と中肋ではフルクトース,葉柄と節間の維管束部ではスクロース,葉柄および節間の皮部と柔組織,花序軸の維管束ではグルコースがそれぞれ多く認められた.14C-糖は,葉肉ではフルクトースが多かったが,それ以外の部位ではスクロースが最も多かった.これらのことから,トマトの転流糖はスクロースであると認められた.また,14C-スクロースの経時変化を調べたところ,14CO2施与後2,4,8,24時間のいずれの時間においても,茎の各組織と花序軸の維管束部の14C-糖はスクロースのみであった.


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