バラ科果樹

下線が引いてある語句か青文字をクリックすると語句の説明が示されます.
元に戻るときはブラウザの「戻る」をクリックして下さい


2003年度


果実の液胞型プロトンピロフォスファターゼ(V-PPase)に関する研究

 果実は液胞に糖などを蓄積して甘く,大きくなります.液胞への物質蓄積のためのエネルギーは液胞膜に存在するプロトンポンプによって発生するプロトンの濃度勾配によってもたらされると考えられています。このプロトンポンプの一つがV-PPaseです.そこでセイヨウナシV-PPaseをトマトへ導入して形質転換体をつくり過剰発現させ果実発現させ果実肥大や糖含量などを調べます.(文責:上田)

モモの糖代謝に関する研究

 桃の果実は月日を経るごとに大きく成長し、甘く熟していきます。その過程をより詳細に考えてみますと、そこには酵素の力が大きくはたらいています。酵素というのはある基質と結合して分解反応をおこない、生成物をつくりだす能力を有しています。例えばアミラーゼはデンプンをブドウ糖に分解します。桃の果実の中にはいくつもの酵素が存在し、それぞれ重要な役割を担っています。
 私は現在ソルビトールグルコースに代謝すると考えられているNADP依存型ソルビトール脱水素酵素(NADP-SDH)という酵素を研究しています。ソルビトールグルコースというのは糖の種類を指し、他にもフルクトーススクロースなどがあります。
 おいしい桃、つまりは甘くて香り高い果実をつくりだすために糖代謝のメカニズムを解明することは大変大きな意義があると考えられます。私はこのNADP依存型ソルビトール脱水素酵素の遺伝子を解読し、そのはたらきを測定し、代謝経路を確立することを目標として研究しています。(文責:橋岡)

モモのフルクトースレベルの制御機構に関する研究

 モモの栽培品種と在来品種では,果実サイズや糖組成などに違いがあります.これは品質に関わる形質であり,また,関連する遺伝子を解明する材料となります.
 栽培品種と在来品種では最も甘い糖であるフルクトースの含量に大きな差があること,さらにその差がNAD-SDH(NAD依存ソルビトール脱水素酵素)活性に由来することが示されてきています.そこで,さらに,シークエンス解析やサザン解析,ノーザン解析を行うことで,NAD-SDH活性の違いが遺伝子によるものか,タンパク質によるものかを調べています.(文責:日原)

バラ科果樹の果実での糖代謝に関する研究

 植物では光合成によってできた産物を果実に転流させることで果実は大きく、甘くなります。リンゴやナシといったバラ科果樹では光合成産物の転流は主にソルビトールの形で行っています。転流されてきたソルビトールは果実の中で様々な形に代謝されます。そこで私は、目印のついたソルビトールを果実に与え、1、4、8、24時間後にどのような形で存在するかを調べています。ソルビトールについている目印は放射性同位元素なので取り扱いには注意が必要です。(文責:森谷)


2002年度


モモの栽培品種と在来品種の比較による品質と関連遺伝子に関する研究

 昨年度,モモの栽培品種と在来品種における果実成長初期から中期にかけての遺伝子発現を比較したところ,栽培品種に多く発現している遺伝子のcDNAが単離された(二郷).単離された遺伝子にはリンゴ酸の生合成に関係するリンゴ酸脱水素酵素や,アスコルビン酸の生合成や細胞壁の合成に関わるとされているUDP-グルコース脱水素酵素などがあった.そこで本研究では,それらの遺伝子と果実の成長や品質との関連を明らかにすることを目的とする.(文責:佐藤)


2001年度


モモにおける栽培品種と在来品種の遺伝子の比較に関する研究

 モモの栽培品種と在来品種では,果実の大きさや硬さ,食味などに大きな違いが見られます.そこで,栽培品種と在来品種の果実の遺伝子を比較し,栽培品種,在来品種のどちらか一方でのみ,またはどちらか一方で強く発現している遺伝子を見つけることによって,果実の成長や食味の違いの原因となっている遺伝子を解明しようとしています.(文責:二郷)

ソルビトール6リン酸脱水素酵素(S6PDH)の発現解析

 主要バラ科果樹の転流糖であるソルビトールは,ストレス耐性に関与しているのではないかとの示唆がなされてきました.そこで,ソルビトール合成のキー酵素である,S6PDH遺伝子のmRNA量の違いを塩ストレス処理,低温ストレス処理,乾燥ストレス処理を施したリンゴやニホンナシの成葉で調べることで,S6PDH発現に及ぼす各種ストレス処理の影響によるソルビトール蓄積のメカニズムを解明することを目的としています.(文責:渡辺)


2000年度


モモ果実におけるフルクトース代謝に関する研究

 果実における主要なの中で,甘さを決定する要因としてフルクトースに注目した.リンゴとニホンナシ果実においては,SDH(ソルビトール脱水素酵素)とフルクトキナーゼフルクトースレベルに関与していることが示唆されている.モモの栽培種(食べられるモモ)では果実のフルクトースグルコースはほぼ等量蓄積するが,野生種や花モモではフルクトースが極めて少ない.これらの果実を用い,フルクトースレベルの制御機能の解明を目的としている.(文責:粉川)


研究紹介

バラ科果樹オビルピーハ(詳細)オビルピーハQ&A 
トマトウリ類四季成り性イチゴ低温感応性蔬菜
シュッコンカスミソウデルフィニウムリンドウトルコギキョウ
根粒菌(窒素固定)テロメア