お料理教室〜イチゴ編〜
料理に関して私はド素人なので,とりあえず誰でも出来ると言うことで,少々(?)の手抜きは見逃して下さい(^-^;.


基礎編1.〜イチゴを栽培する

「これのどこが誰でも出来るなんだ?」と怒られそうですが,
表向きが園芸教室である以上,栽培からはじめさせて頂きます(^-^;;;.
どうかお付き合い下さいm(--)m

1.イチゴの生活環


イチゴは多年生ですが,栽培する場合は一年草として扱う場合が多いようです.
下の表は,イチゴのおおよその生活環を示していますが,品種,地域によって時期が異なります.ご了承下さい.

繁  殖

 イチゴの果実の表面についているツブツブがイチゴの種子(痩果[そうか]と呼ばれています)です.イチゴは種子で増えると思っている方がいらっしゃるようですが,栽培する場合は,ランナーと呼ばれる器官(ストロン,匍匐茎,走出枝などとも言う)によって栄養繁殖させます.このランナーは5月から10月頃にかけて発生します.

花芽形成

 自然条件下では,一季成り性品種の場合,秋(9月下旬から10月上旬)の低温と短日によって花芽形成が誘導されます.これに対して四季成り性品種の場合,冬を除いてほぼ一年を通して花芽形成が誘導されます.

休  眠

 休眠は一般に,内的あるいは外的要因によって植物が成長を停止する状態のことを言います.これに対し,イチゴの休眠は相対的休眠と呼ばれ,休眠中であっても好適な環境条件では新しい葉を展開したり,開花・結実します.
 自発休眠:自然条件下では,10月中旬から下旬頃に休眠に入ります.休眠が最も深くなるのは11月の中旬から下旬頃です.休眠から覚醒するのは1月中旬頃です.
 他発休眠:自発休眠から覚醒した後は気温が上昇するまで成長が抑制されます.

開花・結実

 自然条件下では,一季成り性品種の場合,秋に形成された花芽が3月下旬から開花が始まり,5月から6月に結実します.これに対し,四季成り性品種の場合,冬を除いてほぼ一年を通して開花・結実します.



2.栽培の概要

 普通イチゴの旬と言ったら春ですが,促成栽培(11月〜翌年の5月に収穫),半促成栽培(2月〜6月に収穫),抑制栽培(10月〜11月に収穫)を組み合わせて,夏を除くほぼ周年にわたって収穫することが可能となっています(この他にも山上げ栽培,夜冷短日育苗など,イチゴの栽培方法は作物の中で最も多いと言われるくらいたくさんありますが,ここでは省略させていただきます).これらの栽培に共通することは,人為的に温度や日長時間を変えてイチゴの成長や花芽形成を促進させたり抑制させたりして,果実が実る時期をコントロールしていることです.そのような栽培を家庭で行うのは大変なので,ここでは露地栽培を紹介します.


3.露地栽培の概要

 露地栽培とは自然に任せた栽培型で,人為的な開花調節を行わずに5月〜6月にかけて果実を収穫する栽培です.ここでは,本格的な栽培方法を説明します.品種や栽培地域(寒冷地あるいは温暖地)によってそれぞれの作業の時期が異なることをご了承下さい.


作業内容作業時期説  明
採苗・仮植え8月

 苗を大きく育てます.この作業は省略しても良いようです.

定植10月〜11月上旬

 定植の準備(畑を耕して,肥料を播いて,整地して,植え床[ベッド]を作る)は一ヶ月前にやっておくのが望ましいようです.
 定植は根の伸長適期前の地温20℃前後の頃がよく,寒地では9月中〜下旬,暖地では10月〜11月です.
 定植後は遮光して朝夕に十分灌水することが必要です.

追肥11月〜12月

 定植してから寒さが来るまでに肥料を十分吸収させます.春先の日果実肥大期に肥料切れを起こさないようにします.イチゴの根は弱いので,肥料のやりすぎに注意します.

冬季の管理 

 イチゴは寒さには強いですが,乾燥には弱いです.冬季であっても水の管理には十分気をつけます.ただし厳寒期には凍害をまねくので,この時期は出来るだけ灌水しないのがよいそうです.

マルチ掛け2月頃

 マルチの効果は,1.果実の汚れを防ぐ,2.地温を上げて成熟を早める,3.雑草や病害虫の防除,などが挙げられます.
 この時に病害虫防除のため枯れた葉を取っておきます.

収穫5月〜6月

 お楽しみです(^-^).日持ちさせるためには温度が低い早朝に収穫するのが望ましいです.



基礎編2.〜イチゴの成分

 イチゴと言ったらやっぱりビタミンCです.100gあたりに80mg含まれていると言われ,3個で1日分のビタミンCを補えると言われています.
 香りの成分はアルコール類,エステル類などが含まれています.イチゴはバラ科の Fragaria (フラガリア)属に属していますが,この「 Fragaria 」は,ラテン語の「 Fraga(芳香の良い)」に由来するそうです.
 色素の成分はアントシアニンと呼ばれるものです.受粉後に花托が肥大化して白い果実が出来てから,この色素が増加してイチゴは赤くなります.
 糖分は果実中に7〜8%含まれており,一般には,スクロースが最も多く,次いでフルクトースとグルコースが同程度含まれていると言われていますが,品種や栽培方法によって大きく異なります.
 イチゴに含まれる主な有機酸はクエン酸とリンゴ酸で,その比は9:1であると言われています.

応用編〜お料理教室


 みなさん,おいしいイチゴは収穫できましたか?それともお店から買っちゃいましたか?お料理はここからが本番です.張り切っていきましょう!

1.イチゴジャム

材料:イチゴ,砂糖,レモン汁(少々)
1.イチゴはよく洗って,ヘタを切り取って,十分に水切りします.
2.イチゴと砂糖とレモン汁を鍋に入れて中火にかけます.いきなり強火にかけると突然沸騰して悲惨な目に遭います(S君,大変だったね).
3.火にかけている間にアクをしっかり取ります.焦げないように気を付けましょう.
4.弱火にかけて煮詰まったら完成です.

 どうですか?簡単でしょう?砂糖はイチゴの重さの7割程度入れるとちょうど良いそうですが,多めに入れると雑菌の繁殖が抑制されて日持ちするようです.失敗したら砂糖を多めに入れて味をごまかすという手もあります.そのような経験がある人間が言ってるので間違いないと思います(^-^;;;.
 この方法で作ったイチゴジャムは色が黒っぽく見えます.色鮮やかなイチゴジャムを作るには火に掛けて汁が出てきたら果実を一時取り除いて汁だけを煮詰めて,最後に果実を混ぜるという方法があるようです(私はこの方法を試したことないので詳しいことは知りません).

2.イチゴミルク

材料:イチゴ,牛乳,砂糖 (分量はそれぞれ適当です)
1.イチゴはよく洗って,ヘタを取って,十分に水切りします.
2.イチゴと牛乳と砂糖をミキサーにかけて完成です.

 イチゴジャムより簡単だったでしょう?でもこれが意外とおいしいのです.私は仙台に来るまでイチゴにコンデンスミルクや牛乳をかけるのはイチゴの味を損なうから邪道だと思っていましたが,某先輩に作っていただいたイチゴミルクを味わってからこれも悪くないな,と考えを改めました.
 イチゴの量を多くするとトロトロしておいしいです(^-^).これはイチゴの含まれるペクチンと牛乳に含まれるカルシウムが結合してトロトロになるとハウス食品の「フルーチェ」のパッケージに書いてありました.

(文責;西山)

line

 このページに関するご意見,ご感想,イチゴの栽培方法や料理のアドバイス等がございましたら,ホームページ(表紙ページ)に記載してあるメールアドレスまでメールをお送り下さい.

 料理教室とは名ばかりで栽培にページを割いているとか料理が簡単すぎるという文句は,勝手ながら反則とさせていただきます(^-^;;;.

line

園芸教室に戻る