東北大学 大学院生命科学研究科

 生 命 素 子 機 能 分 野 Laboratory of Functional Biomolecules
レクチンの食品成分としての新たな機能性を探る!

食品レクチンの機能性の解明

レクチンとは糖鎖を特異的に認識し結合するタンパク質であり、動植物を問わず広く存在しているため、食品成分としても考える必要がある。レクチンを食品成分として捉えた場合、調理などにおける加熱に対して耐性を有していたり、腸におけるタンパク質分解酵素に安定なものが多くあることから、生理活性を保持したまま腸管に到達することが考えられる。また小腸の上皮細胞表面に発現している受容体に対する特異的、かつ強い結合性を持つことから外来性のシグナルともなり得る。さらにそのシグナルにより腸管吸収能が影響を受け、食品機能性因子の吸収などに変化を及ぼす可能性もある。 私達の研究室では、食品中に含まれているレクチンが腸管に及ぼす影響について、培養細胞や実験動物を用いて研究している。 図 a)レクチンが食品機能性因子の吸収に与える影響(細胞試験)。大豆レクチンとナタマメレクチンによりケルセチンの吸収が増加し、大豆レクチン、ナタマメレクチン、小麦胚芽レクチンによりイソフラボンの吸収が増加した。 b)レクチンが食品機能性因子の一つであるケルセチンの吸収に与える影響(動物実験)。大豆レクチンとナタマメレクチンを10μg/mLの濃度でラットに与えたところ、ケルセチンの吸収が有意に増加した。 c)レクチンの細胞に与える影響をプロテオーム解析により調査。レクチンにより増減がみられたタンパク質を解析している。

 【参考文献など】

Ohno et al., BioFactors, 21(1-4), 399-401 (2004).

Ohno et al., J. Agric. Food Chem., 54, 548-553 (2006).

Yamamoto et al., J. Clin. Biochem. Nutr., 43 Suppl. 1, 70-73 (2008).

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東北大学大学院生命科学研究科分子生命科学専攻

生命有機情報科学講座 生命素子機能分野

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