研究科長・学部長挨拶

「人類の食料と健康を守り環境問題に取り組み、社会に貢献している研究科」

駒井三千夫肖像写真

東北大学大学院
農学研究科長・農学部長

駒井 三千夫

当農学研究科・農学部の震災復興への貢献は、より一層重要になって参りました。現在も当研究科では復興に関する様々な取り組みが行われており、平成26年4月には「東北復興農学センター」を設立するなどして具体的な取り組みが行われており、学内外で高く評価されているところです。また、同年9月に女川フィールドセンターが再建になり、東北マリンサイエンス拠点形成事業の実績も加速することと思います。今後は、当研究科が持つ研究シーズを活用して、食産業も含めた地域産業の振興にも貢献していくことが重要となってきております。

上述の具体的な貢献は引き続き重要でありますが、これまで長年行ってきた当研究科の教育・研究の世界的なレベルでの実績を活用した基本的な取り組みも大切です。すなわち、従来から行ってきた食料・健康・環境に関する研究からの基盤的な貢献であり、それは、震災復興のみならず、長いスパンで見た地球規模を念頭に入れた人類社会への貢献です。今や地球環境は、各地の人口の増大と都市化によって大きく変化してきていると言われています。大幅気候変動は、地球環境の悪化によって起きている可能性が高いとされており、世界的規模での対応が必要です。このような問題に対応していくのが農学の役割です。地球の環境を守り、迫り来る世界の食料問題に対応し、もう一つは安心・安全な食品の提供や、食品の食べ方の提案に貢献するアカデミアとしての役割です。エネルギーを有効利用して安全な農畜水産物を生産し、これを利用しておいしく食べることが健康に結びつき、人類の幸福を守っていくことにつながります。これが、私どもの農学研究科・農学部に与えられている使命の一つであります。

東北大学・大学院農学研究科は、2003年に大学院大学として整備され、「資源生物科学専攻」、「応用生物科学専攻」、「生物産業創成科学専攻」の3専攻で構成されています。また、 同じ年に附属農場と附属海洋生物資源教育研究センターを統合して「附属複合生態フィールド教育研究センター」に改組されました。さらに、2009年には、「附属先端農学研究センター」を設置し、挑戦的・戦略的な教育研究拠点として活動を開始しました。本学の目標である世界リーディング・ユニバーシティへの道を、食料基地として一目を置かれている東北地域の特色を活かしつつ農学領域の立場から進めていく教育研究活動を展開しております。

大学院では、食料・健康・環境に関わる高度な専門知識と学識を備え、新しい生物産業の創成を国際的な視野で先導的に推進できる人材の養成を目指しています。また農学部では、これらの諸問題解決に貢献できる指導的・中核的人材を養成することを目標に掲げています。学部の構成は、「生物生産学科」と「応用生物化学科」の2学科が6コースで構成されており、分子・遺伝子レベルからフィールドおよび社会科学までの幅広い研究と教育が行われています。6学系の構成は、「植物生命科学コース」、「資源環境経済コース」、「応用動物科学コース」、「海洋生物科学コース」、「生物化学コース」、「生命化学コース」であります。東北大学は大学院大学のため、学部卒業後には大学院に進学する人が8割程度居りますが、4年間で卒業するまでには自分なりの知識や技術を体得して、これを自分の財産にすることができます。当学部出身者は、企業でも大学関係でも評判が良いです。3年次に毎日午後にフルで実験あるいは演習の時間帯があり、幅広い実践研究トレーニングを行っています。これが良い研究者を育てている下地だとも言われています。ノーベル賞候補者であり、米国医学会最高のラスカー賞を受賞された遠藤章先生も卒業生の一人であります。また、若い年齢層の卒業生も国内外で活躍中です。

以上ご紹介しましたように、東北大学・大学院農学研究科と農学部は、人類の平和的な生存と繁栄に貢献していく教育・研究機関であります。昨今、当研究科・学部の重要性が、益々増してまいりました。私どもの組織の重要性が広く認識されるよう、さらに一層の努力をしていく所存でございますので、益々のご支援をお願い致しましてご挨拶に代えさせていただきます。

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