研究ハイライト&トピックス

2016/05/30

イネの成長と窒素転流にオートファジーが重要な役割を担うことを解明

写真:石田准教授

石田 宏幸 准教授

(植物栄養生理学分野)

専門

植物栄養生理学

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窒素はタンパク質をはじめ、DNAやクロロフィルなどの成分であることから、植物の成長や生産性に最も大きな影響を与える必須栄養素です。植物は窒素の体内リサイクルの機構を持っており、イネの成長過程では、下位の老化葉でタンパク質が積極的に分解され、その窒素は光合成に有利な上位の若い葉に転流されます。しかし、この老化葉でのタンパク質分解の機構は長らく未解明のままでした。

私たちは、イネ葉において主要な転流窒素源である葉緑体タンパク質が、真核生物に広く保存された細胞内の自己分解システム・オートファジーにより分解されること、オートファジー機能を欠損するイネ変異体では、窒素転流が阻害され個体の光合成能力や成長が抑制されること、について2報の論文で明らかにしました。今回の成果は、環境負荷の少ない「持続可能な農業」の発展に向けて、「少ない肥料で効率よく成長するイネ」の育成につながるものと期待されます。


<発表論文>
雑誌名:Plant Physiology, 167, 1307-1320 (2015)
論文名:Establishment of monitoring methods for autophagy in rice reveals autophagic recycling of chloroplasts and root plastids during energy limitation
著者名:Masanori Izumi, Jun Hidema, Shinya Wada, Eri Kondo, Takamitsu Kurusu, Kazuyuki Kuchitsu, Amane Makino, Hiroyuki Ishida

雑誌名:Plant Physiology, 168, 60-73 (2015)
論文名:Autophagy supports biomass production and nitrogen use efficiency at the vegetative stage in rice
著者名:Shinya Wada*, Yasukazu Hayashida*, Masanori Izumi, Takamitsu Kurusu, Shigeru Hanamata, Keiichi Kanno, Soichi Kojima, Tomoyuki Yamaya, Kazuyuki Kuchitsu, Amane Makino, Hiroyuki Ishida (*equal contribution)

 

野生型及びオートファジー不能イネ

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