研究ハイライト&トピックス

2016/05/30

園芸学会賞受賞 果実の生産と品質向上を目的とした糖の代謝と蓄積に関する生理学的研究

金山  喜則 教授

(園芸学分野)

専門

園芸学

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園芸学会平成28年度春季大会において「園芸学会賞」を受賞しました。一般社団法人園芸学会は園芸に関する研究および技術の進歩を図るために大正12年に創立された歴史ある学会で、園芸学会賞は園芸学に顕著な学術的業績をあげた会員に授与されます。今回の表彰は、果実の生産と品質向上を目的とした糖の代謝と蓄積に関する生理学的研究における一連の成果を対象としたものです。

果実の生産と品質を向上させるには、果実の発育や甘さに関わる糖の代謝と蓄積に関する知見が不可欠であることから、バラ科果樹やトマトを主な材料として、生化学的、分子生物学的手法を積極的に取り入れて研究を行い、いくつかの重要な生理学的知見を得ました。リンゴなどの重要な種を含むバラ科果樹における主要な転流糖はソルビトールですが、一般に良く知られている転流糖であるスクロース代謝にくらべて研究が遅れていたことから、ソルビトール代謝に関わる遺伝子やタンパク質の解析等を通して、代謝経路や主要な酵素のはたらきを明らかにしました。また最も重要な野菜の1つであるトマトにおいては、転流糖であるスクロースの代謝経路ではたらくフルクトキナーゼの重要性や、野生種の染色体断片を導入した栽培種において糖度が向上するメカニズムを明らかにしました。さらには、生体膜を介したエネルギー勾配を形成するプロトンポンプやヘキソースの輸送をおこなうキャリアー等の膜タンパク質が,果実の発育や糖の蓄積に関与していることを明らかにしました.

以上のように,果実の生産と品質に関わる因子を特定するための生理学的研究を行い,栽培や育種における有用な情報を提供することができました。下記を含む50報あまりの発表論文を通して果樹や果菜の糖の代謝と蓄積に関する学術的基盤を築いたことを評価され、受賞にいたりました。

<発表論文>
雑誌名:Scientia Horticulturae 153, 103-108 (2013)
論文名:Analysis of a tomato introgression line, IL8-3, with increased Brix content
著者名:Hiroki Ikeda, Masahiro Hiraga, Kenta Shirasawa, Manabu Nishiyama, Koki Kanahama, Yoshinori Kanayama

トマトの図

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