研究ハイライト&トピックス

2017/02/07

植物の新たなオートファジー経路 -壊れた葉緑体を取り除くクロロファジーの発見-

写真:石田准教授

石田 宏幸 准教授

(植物栄養生理学分野)

専門

植物栄養生理学

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「オートファジー」は、生物が自らの細胞の一部を消化するための機構です。今回私達は、本学学際科学フロンティア研究所、生命科学研究科と共同で、モデル植物シロイヌナズナに紫外線や強い白色光、自然太陽光を照射し光合成を担う葉緑体にダメージを与えると、葉緑体が丸ごとオートファジーで運ばれ分解される「クロロファジー」が起こることを発見しました(図)。この成果により、壊れた葉緑体の除去を担う新たなオートファジー経路が示されました。

植物の体内で葉緑体が分解されると、アミノ酸などの構成成分が再利用される「栄養素リサイクル」が起こります。ゆえに葉緑体分解は植物の栄養利用と極めて密接に関わる現象です。本成果をスタート地点として、作物の栄養利用を向上させようとする新たなアプローチが創出されることが期待されます。

本成果は、植物科学分野において世界的に権威のある米国植物生理学会誌The Plant Cellへの掲載が決定し、2017年1月25日に同誌online版に掲載され、1月30日に本学よりプレスリリースされました。


<発表論文>
雑誌名:The Plant Cell (Published Online; doi:10.1105/tpc.16.00637)
著者名:Masanori Izumi, Hiroyuki Ishida, Sakuya Nakamura and Jun Hidema,
論文名:Entire Photodamaged Chloroplasts Are Transported to the Central Vacuole by Autophagy

 

クロロファジーを検出した蛍光顕微鏡画像

クロロファジーを検出した蛍光顕微鏡画像、左が無処理のもの、右が紫外線障害後で、赤い球体がクロロファジーで液胞に運ばれた葉緑体

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