研究ハイライト&トピックス

2017/06/02

青色光照射は野外に生息するコウチュウ目害虫にも殺虫効果を発揮する!

写真:掘准教授

堀 雅敏 准教授

(生物制御機能学分野)

専門

応用昆虫学

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東北大学大学院農学研究科の堀雅敏准教授の研究グループは、2014年に青色光の殺虫効果を発表しましたが、同准教授らは今回、高い光耐性をもつと考えられる屋外性のコウチュウ目昆虫であるハムシ類にも青色光が殺虫効果を発揮することを明らかにしました。先の論文では、直射日光に暴露されるリスクが比較的少ない害虫類に対する殺虫効果の報告でしたが、今回の研究により、直射日光の当たる野外で生活し、革質化した表皮に覆われたコウチュウ類でも、卵や蛹などをターゲットとすれば青色光での殺虫が可能なことが明らかになりました。今回研究対象に用いたイチゴハムシは一生を通じて屋外の植物葉上で生活しますが、直射日光に含まれる青色光の6割程度の青色光でも約9割のハムシが死亡しました。このことから、屋外に生息する昆虫であっても、葉裏など物陰に潜むなどして、実際には直射日光をそれほど浴びていないものと考えられます。今回、ハムシ類でも青色光の殺虫効果が認められたことから、光耐性の比較的高いと考えられる害虫種でも青色光は殺虫効果を示すと考えられ、農業を含む様々な場面での害虫防除に利用できる可能性が高いと思われます。

この成果は、2017年6月2日に英国Nature Publishing Groupのオンライン科学雑誌「Scientific Reports」に掲載されました。


<発表論文>
著者名:Masatoshi Hori & Ayako Suzuki
論文名:Lethal effect of blue light on strawberry leaf beetle, Galerucella grisescens (Coleoptera: Chrysomelidae)
雑誌名:Scientific Reports(オンライン掲載 http://www.nature.com/articles/s41598-017-03017-z

 

イチゴハムシ

前蛹~蛹期の青色光照射により羽化前に死亡したイチゴハムシ。
(A) 前蛹で死亡した個体。(B) 蛹で死亡した個体。 (C) 重度の羽化不全で死亡した個体。(D) 軽度の羽化不全で死亡した個体。

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