研究ハイライト&トピックス

2018/03/15

イネにおけるアンモニウム態窒素栄養を取り過ぎない仕組みの解明


窒素は、植物の生育や作物の生産性を決定する多量必須栄養素です。潅水下の水田で栽培されるイネは、主に土壌中のアンモニウム態窒素を根で吸収します。しかし、高濃度のアンモニウムの供給は多くの陸上植物に有害なため、根細胞原形質膜の高親和性アンモニウム輸送系(HATS)のアンモニウム吸収能力は、細胞外アンモニウム濃度の上昇に伴い徐々に抑制されます。

東北大学大学院農学研究科の早川俊彦准教授の研究グループと国際農林水産業研究センターの小原実広主任研究員は、充足濃度のアンモニウムを与えたイネ幼植物の根では、セリン/スレオニン/チロシン タンパク質リン酸化酵素ACTPK1が高蓄積し、ACTPK1がHATSを構成するアンモニウム輸送体1;2 (AMT1;2)のC末端側の453番目のスレオニン残基をリン酸化して、AMT1;2を不活性化することを明らかにしました(図)。本研究成果は、好アンモニウム性作物であるイネのアンモニウム利用の効率化やアンモニウム感受性植物への耐性付与などの分子育種につながると期待されます。

本研究成果は、国際誌The Plant Journalの電子版に2018年2月17日に、冊子版に3月8日に掲載されました。

 

<発表論文>

雑誌名:The Plant Journal, 93, 992-1006 (2018). doi: 10.1111/tpj.13824

著者名:Marcel P. Beier*, Mitsuhiro Obara*, Akiko Taniai, Yuki Sawa, Jin Ishizawa, Haruki Yoshida, Narumi Tomita, Tsuyoshi Yamanaka, Yawara Ishizuka, Syuko Kudo, Akira Yoshinari, Shiho Takeuchi, Soichi Kojima, Tomoyuki Yamaya and Toshihiko Hayakawa (*equal contribution)

論文名:Lack of ACTPK1, an STY kinase, enhances ammonium uptake and use, and promotes growth of rice seedlings under sufficient external ammonium.

充足濃度のアンモニウム(NH4+)態窒素栄養を与えたイネ幼植物の根におけるACTPK1によるアンモニウム吸収制御

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