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2006年7月27日

コンテンツ追加

  • 研究紹介に「世界土壌照合基準(World Reference Base for Soil Resources)中のAndosolsの改訂提案」を追加しました。
  • 研究紹介に「石灰中和による腐植複合体アルミニウムの大きな減少」を追加しました。

石灰中和による腐植複合体アルミニウムの大きな減少

アルミニウム-腐植複合体は,アロフェン質粘土とともに,黒ボク土のユニークな性質(リン酸との高い反応性,低い仮比重など)の基となっており,比較的安定に存在すると考えられてきた.しかし,アルミニウム-腐植複合体の一部はかなり不安定で,pHやイオン強度の変化で容易にAlイオンが放出されることがわかってきている(Takahashi et al. 1995, 1998, 2003).

この論文では,土壌酸性の改良に用いられる石灰(炭酸カルシウム)の施用によって,アルミニウム-腐植複合体(図のAlp)が大きく減少することを示した.人間による比較的弱い土壌への働きかけでも,土壌の基本的性質を大きく変化させる一例である.

(紹介文作成:高橋正,2006-07-27)

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世界土壌照合基準(World Reference Base for Soil Resources)中のAndosolsの改訂提案

世界土壌科学会議,国際土壌照合情報センター,および国際連合食糧農業機関が編集した,国際的な土壌分類体系World Reference Base for Soil Resources (WRB)が1998年にまとめられた.その中のAndosols土壌群(日本の黒ボク土に相当)にかかわる定義(andic, vitricの定義)や下位レベルの土壌名(修飾語)については検討すべき点が多数残されていた.そこで,土壌立地学研究室が作成した黒ボク土のデータベース(Tohoku University World Andosol Database)等を用いて,その問題点を整理し改訂案を提示した.

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2006年7月26日

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  • 南條正巳教授からのメッセージ「土壌学を目指される方々へ」を追加しました。
  • 研究紹介に「火山灰が土壌になるときの元素濃度変化」を追加しました。

火山灰が土壌になるときの元素濃度変化

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 火山灰には白っぽいものから,黒っぽいものまでいろいろあり,ケイ素濃度が異なりますが,主要元素はいずれもケイ素です。しかし,これらの火山灰から湿潤気候下で良く生成するアロフェン・イモゴライト,Al-腐植複合体,フェリハイドライトなどの土壌成分はAlまたはFe含量が高く,ケイ素含量は高くありません。従って,土壌化の過程では多量のケイ素などが失われ,元素濃度が大きく変化します。多くの試料を分析しますと,ケイ素の他に,Na, Caなどのアルカリ,アルカリ土類金属なども溶脱し,遷移元素,希土類元素の中には濃縮されるものがあることがわかりました。この元素濃度変化の過程における更に詳細な法則性の解明を目指しています。

(紹介文作成:南條正巳,2006-07-26)

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土壌学を目指される方々へ

 土壌学は土を対象とする科学です。土は鉱物,無機・有機化合物,植物,微生物,動物などを含む複合体です。従って,土壌学はこれらに関する化学,生物,物理,地学的側面を総合した身近な科学です。わが国全体,あるいは,世界を見れば多様な土があり,それらの土を利用する人間の多様な活動があります。

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