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2011年4月21日

「包括的土壌分類 第一次試案」が出版されました

niaes29_coverpage日本は国土全体の土壌を一つの分類体系でカバーできていない,先進国のうちでは希な国です.農耕地,林野など,事業単位毎の土壌分類がずっと行われてきたためです.そのため,国全体の統一的な土壌資源目録・土壌図がない状態でした.統一分類とそれを基にした土壌図作成のための検討が続けられ,日本ペドロジー学会は2003年に「日本の統一的土壌分類体系 - 第二次試案(2002) -」をまとめました.しかし,この試案も実用のためには十分とは言えませんでした.このたび,農業環境技術研究所は,2003年のペドロジー学会の試案と,データの蓄積のある従来の農耕地土壌分類を融合させて,「包括的土壌分類 第1次試案」を公表しました.印刷物やPDFによって誰でも入手可能です.

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2011年4月15日

東日本大震災:仙台市南東部における津波被災農地の視察

大学院農学研究科「食・農・村の復興支援プロジェクト」ウェブサイトに掲載されております南條正巳教授による津波被災農地の視察報告を紹介します。


2011年3月25日 仙台市南東部における津波被災農地の視察

 仙台市の案内で表記視察の機会を得た。その概況は以下のようであった。

視察経路
 高砂南部排水機場−園芸センター南側−荒井−地下鉄駅予定地脇−東部道路下通過−周囲には黒泥土に似た土が路肩等に10cm程度堆積−大堀排水機場−荒浜集落−荒浜集落南端農地(土壌サンプリング)

視察地域の概要
 当地域は七北田川と名取川の間にあり、津波は海岸から約4km内陸に及んだ。被災農地面積は水田を中心に1800ha以上とされる。この地帯の主な土壌は、灰色低地土、グライ低地土、黒泥土、褐色低地土(土壌名は現行の農耕地土壌分類に読み替え)である(経済企画庁, 1967)。特に、グライ低地土、黒泥土は排水不良地に分布する。当津波被災農地は海抜数m以下で、4つの排水機場が設置されている。これらの排水機場は津波で破壊されたが、応急ポンプで排水した結果、1週間前に比べて排水が大きく進んだとのことであった。道路脇の排水路では建物破砕物の掃除が進みつつあり、排水路の水位は田面より20〜30cm下に下がり、排水路は機能しつつあった。

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2011年4月14日

東日本大震災:亘理町逢隈十文字周辺の水田ほ場の除塩対策

 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震に伴う津波による亘理町逢隈十文字周辺の海水流入田の現況と今年度水稲作付のための除塩対策について検討し,3月22日に「集団のほ場の電気伝導率(EC)の測定結果について」,3月29日に「亘理町逢隈十文字周辺の水田ほ場の除塩対策について」,4月8日に「亘理町逢隈十文字周辺の水田ほ場の除塩対策について(第2報)」を関係者に報告しました。

 報告では,亘理町逢隈十文字周辺の水田ほ場は海水流入以外の津波の影響が殆どみられず塩分を含まない灌漑水の湛水と落水を繰り返して土壌のEC値を下げれば(除塩対策ができれば)今年度の水稲作付は可能と判断しました。しかしながら,4月13日に亘理町が発表した東日本大震災に伴う今年度の水稲作付についてによると,現時点では排水施設が全く機能しておらず除塩対策ができないため,「平成23年度の水稲作付に関して、被災の甚大な地域(荒浜地区・吉田東部地区)を考慮し、緊急的な措置として、『平成23年度の水稲作付に関する計画図』」で塩害予想区域に設定された当地域の今年度水稲作付は困難となりました。

 今回の取り組みは今年度水稲作付のための緊急対策の検討でしたので,残念ながら当初の目的を果たすことができませんでした。しかしながら,今回の検討結果が「震災で海水流入以外は目立った津波の影響がみられない水田ほ場の除塩対策」として少しでも役立てばと思い,ここにその内容を紹介します。なお,宮城県農林水産部農産園芸環境課が公表しております技術情報第2報(平成23年4月12日)では「東日本大震災に伴う農作物の技術情報(第2報) ~海水等流入水田における対応等~」として,津波により海水・土砂・泥土等が流入した水田ほ場の留意点がまとめてありますので,そちらも参考にして下さい。

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2011年4月13日

東日本大震災:南條正巳教授からのメッセージ

卒業生のみな様

 お元気でご活躍のことと拝察致します。この度の地震・津波・原発事故で被災された方々もお有りではないかと憂慮しております。みな様にも研究室はどうなのかとご心配をお掛けしているかも知れません。幸いにも農学研究科の建物は立ち入り禁止の札が貼られることはありませんでした。研究室内では若干の器具等がこわれましたが,少し高額な機器は何とか無事のようです。職員も学生もケガはありませんでした。書棚等を壁に固定していたことは有効でした。

 ところが,本震後一旦通水した水道は4月7日の余震で漏水し,再び断水となりました。その後,本日13日になって,多くのカ所は通水できました。ライフラインの中ではガスが最も遅れて,来週とされております。このような状況ではありますが,3・4年生は全学より早く今月25日から新学期を開始する運びです。そして,土曜日も使いながら授業を進め,夏の農場実習を通常に近い形で行う方向です。

 津波の被害は甚大で復興には長時間かかりそうです。それに比べれば内陸は何とかなりつつあります。ガソリンも値段は高いながら,ほとんど普通に買えるようになりました。みな様には,体調維持に留意されながらも益々ご発展されますよう祈念申し上げます。

南條正巳 2011-04-13

2011年4月 1日

平成23年度 分野メンバー

[教 授]
  • 南條 正巳 Masami NANZYO (東北大学研究者紹介へのリンク
[准教授]
  • 高橋 正 Tadashi TAKAHASHI (東北大学研究者紹介へのリンク
[助 教]
  • 菅野 均志 Hitoshi KANNO (東北大学研究者紹介へのリンク

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