川渡フィールドセンター土壌の有機炭素蓄積・分解要因
典型的な非アロフェン質黒ボク土A層試料19点の有機炭素含量と土壌の諸性質の関係を統計解析(相関分析,パス解析)で調べた。その結果,土壌酸性(低pH)やアルミニウム-腐植複合体の形成が有機炭素の蓄積に寄与していることが示された。この炭素蓄積への低pHの影響は,土壌をCa資材やNa資材で中和処理すると有機炭素の無機化(呼吸)速度が顕著に高まることで裏付けられた。また,Ca資材処理後の呼吸速度はNa資材処理に比べて高い傾向にあり,Ca処理によりアルミニウム-腐植複合体の一部が解放され,腐植が易分解化したことが示唆された。