現在、農学部内のネットワークの内、研究室分についてはSuperTAINSのsubnetになっています。その経過をまとめてあります。ネットワーク機器は日進月歩のため、機器構成は何度も変更になりました。H8年度情報処理委員長の大森先生、H9年度委員長の須山先生のご努力で、他部局に劣らない立派なsubnetができました。農学部の皆さんの研究に、このネットワーク整備がお役に立つものと信じています。
当時農学部では、サーバーを除いてネットワークはTAINS88を使用していました。SuperTAINSは他部局より1年遅れて農学部でも整備されましたが、お金がかかるのでほとんど使用されていませんでした。しかし、そのままではネットワークが使えなくなる事態も予想され、農学部として機器を整備しSuperTAINSへ移行することになりました。
ルーター2台で1200万円の見積もりを持って情報処理委員長が予算委員長に交渉した結果、一年では無理なので600万/年で2年間でとのことで話がまとまりました。
その後、業者と細部を検討し、ネットワーク機器は、ルーター(Cisco 4500)2台からルーター(Cisco 4500)1台+スイッチ(Catalyst 2800)5台へと変更しました。メリットは、
情報処理委員会では、予算委員会からの予算枠内であればよりよい方法に変更するのは良いだろうとのことになりました。また、研究棟をH8年度に、本館その他をH9年度に整備することが決まり、業者と詳細を検討していきました。研究棟を優先させたのは、本館では独自にsubnetへの移行を進めていたからです。
ところが、この構成ではSuperTAINS内に(といっても農学部の中だけですが)農学部のVLANのための特別なヘッダーが付加されたパケット(信号と思ってください)が流れるのは、SuperTAINS全体に障害をもたらす可能性があることが指摘されました。また、この構成ではVLANが組める範囲が小さいことが判明しました。
そこで、構成を大幅に変更し直接SuperTAINSに接続するのはルータだけとし、スイッチはルータに直接接続することにしました。また、スイッチをCatalyst 2800からCatalyst 2900に変更し、さらに予算の関係から台数を減らすことになりました。2900は2800よりもポート数は半減しますが、講座あたり1ポートをぎりぎり確保することができました。また、当時急速に普及しつつあった100Mのファーストイーサネットにも対応していたので、将来的にも有利であると判断しましす。さらにその後、ルーターはCisco 4500はVLANに対応してないことが判明し、上位のCisco 7200に変更しました。
機器はこれで最終的に決定し(構成図参照)、97.3に設置および工事が完了し研究棟系ではTAINS88からSuperTAINSへの移行ができるようになりました。
さて、木村はH9年度は情報処理委員をはずれましたが、事情を一番知っていることからH9年度も引き続いてsubnet関係の仕事を担当しました。
私の仕事は、前年の残りの機器を納入するだけでした。しかし、ciscoが円安を理由に4月から製品の値上げをアナウンスし、600万円の予算に対して120万円ほどオーバーする事態になりました。しかも、本館系の情報処理委員の先生からもっと安いスイッチが他社からでているので、スイッチを変更しようとの提案がありました。さらに、本館の先生から、ネットワークのケーブルの取り回しが研究棟系よりも長くなるのでネットワークが不安定になるとの懸念があるのでスイッチの台数を増やして欲しい旨要望が出されました。議論の結果、メーカーが異なる機器は相性が悪い可能性があるので採用を見送り、ciscoが秋に出すであろうより安い製品を待って最終判断をすることになりました。
9月にciscoから安いスイッチcatalyst 2926が発表されました。値段も予想通り2901よりも安かったため、数十万円の予算を追加することで台数を本館で希望するとおり増やすことができました。予算の追加に関しては、情報処理委員長が予算委員長および学部長に交渉しOKをもらいました。委員会でもこれならいいだろうということで、発注の手続きに入りました。
実は、catalyst 2926の正式な値段が事前のアナウンスよりも90万円高いことが判明しました。計画では、catalyst 2926を5台でしたから定価ベースで約450万円もアップし、一時は計画が暗礁に乗り上げました。しかし、正式な見積もりを取っていたおかげで、事前のアナウンス価格でなんとか納品してもらう目途がついたのでした。
H.10.2には工事が終わり、残りのsubnet導入は完了しました。現時点では、本館系での移行は済んでいませんが、本館系でのsubnetの運用方針が固まり次第移行する予定です。
以下の文章は、情報処理委員会で木村がsubnetへの移行のためルータを買おうと 提案したときのものです。予算委員会へはこの時の見積もり約1,200万円でお願いしました。
SuperTAINS下のSubnetへの移行について
1.TAINSの経緯
2.SuperTAINSの概要。
3.SuperTAINSの利用方法
4.ルータとネットワークの基本構成(案)
○ルーターとして使用するのは、cisco社製のcisco-4500とする。これは、接続先のATMルーターが同社製であり、ネットワークの構築が容易である。
○superTAINS側のインターフェースはFDDIとする。ATMよりも安定していると言われている。既存のFDDIループに入れて使用する。
○もう一方のインターフェースはethernetとし、これをPCに接続する。将来の拡張を考え、ポート数は多くとる。
○ルーターからPCまでの距離は長くなり同軸ケーブルでは電送上の問題がある。途中に光ケーブルを入れる。この光ケーブルは本来は新たに設置することが望ましいが、予算を考えてtains88およびSuperTAINS用の光ケーブルを利用させてもらう。
○ルーターのetherの口を既存のtains88インハウスの同軸ケーブルへ接続し、研究室からいまのまま使うことは困難である。それは、現在のtains88でのインハウスは255台で一つのネットワークなのに対し、superTAINSでのsubnetは62台(ないしそれ以下)であるため、ネットワークが4つ必要になるからである。
○ルーターの一つのethernetポート下には62台のPCを配置することができて、これが一つのsubnetとなる。
○subnetの構成は、ethernetポートに12ポートのハブをおき、ハブの各ポートから研究室までラインを伸ばす。このラインは、TPDDIコンセントレータ用のUTP5ケーブルとMJ(モジュラージャック)を利用させていただく。各研究室には、3本のUTP5ケーブルが平均して来ているので、あと2本の余裕がある。