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プロトコール

ミトコンドリア高度精製法

精製法
1実験材料
 ミトコンドリアを抽出したい植物組織*1
  *1 基本的に継代後4日目の培養細胞(イネの胚盤由来カルス)からこの方法でミトコンドリアを精製している.

2使用機器
○超高速遠心機とローター[himac CP80WX(日立製作所),P28S]
○高速遠心機とローター[H-9R(コクサン社),MN1]
○微量高速遠心機とローター[MX-301(トミー精工社),AR015-24,AR500-04など]

3実験器具
○家庭用ミキサー
○チーズクロス(サーモフィッシャーサイエンティフィック社 Cheeseclosth Grade50; Cat#AS-240)
○ミラクロス(カルビオケム社Miracloth; Cat#475855)
○遠心用ボトル(ナルゲン社500 ml遠心ボトル; Cat#3122-0500JP)
○超遠心用遠心管(日立製作所40PAチューブ)
○20 mlガラスシリンジおよび注射針(テルモカテラン針20G x 70 mm)
○画筆(ぺんてる、馬毛、丸18号)
○パスツールピペット

4試薬
○抽出バッファー[0.4 Mマンニトール,25 mM MOPS,1 mM EGTA,4 mMシステイン,0.2% BSA(Alubumin, from Bovine Serum, Cohn Fraction V, pH7.0,和光純薬工業社017-23294)]
○20%ショ糖液[20%シュークロース,10 mM トリシン(pH7.5),1 mM EGTA(pH8.0)]
○35%ショ糖液[35%シュークロース,10 mM トリシン(pH7.5),1 mM EGTA(pH8.0)]
○47%ショ糖液[47%シュークロース,10 mM トリシン(pH7.5),1 mM EGTA(pH8.0)]
○60%ショ糖液[60%シュークロース,10 mM トリシン(pH7.5),1 mM EGTA(pH8.0)]
○洗浄バッファー[0.2 M マンニトール,10 mM Tricine(pH7.5),1 mM EGTA(pH8.0)]

プロトコール
 あらかじめ家庭用ミキサー,遠心ボトル、超遠心用遠心管を連増個で冷やしておく.
継代後4日後の培養細胞を培地より回収し、その重さを量る.以下の過程はすべて氷上で行う.
 1.家庭用ミキサーにサンプルと4倍量の抽出バッファーを加え,細胞を破砕する.*2
  *2 繊維の多い組織から精製する際には,乳棒,乳鉢,石英砂を用いてサンプルの破砕を行っている.
 2.500 mlビーカーに振りザルを乗せ、ミラクロス1枚とチーズクロス3枚を重ねて細胞破砕液を少しずつ注ぎ,ですポーザブル手袋を用いて破砕液を絞る.*3
  *3 振りザルは,麺の湯切りに使うキッチン用(テボ)を利用している.
 3.ミラクロスに残った細胞残渣に抽出バッファーを加え,ペースト状になるまで破砕を行う.
 4.新しいミラクロス4層を用いて,細胞破砕液を絞る.
 5.細胞破砕液を500 mlの遠心ボトルに回収し,4℃,1,000 x gで1分間の遠心分離を行う.
 6.上清を新しい500 mlの遠心ボトルに回収し,4℃,2,000 x gで10分間の遠心分離を行う.
 7.上清を新しい500 mlの遠心ボトルに回収し,4℃,10,000 x gで15分間の遠心分離を行う.
 8.得られた沈殿に抽出バッファーを加えて,ゆっくりと冷やしながら溶解させる.どうしても溶解しにくい場合は,画筆を用いて優しく溶かす.*4
  *4 抽出バッファーの量は,沈殿物の量によって変えている.おおむね10~20 mlの抽出バッファーを用いる.数回に分けて注ぎ,溶かす.
 9.超遠心用遠心管にショ糖勾配を作成する.
   20% ショ糖液5 mlを遠心管に注ぐ.その下に35%ショ糖液5 mlを注ぐ.35%ショ糖層の下に47%ショ糖液を5 ml注ぎ,さらにその下に60%ショ糖液を3 ml注ぐ.
10.ショ糖勾配の最上層(20%ショ糖層)の上に懸濁したサンプルを静かに重ねる.
11.抽出バッファーを用いてバランスを取り,超遠心機で108,000 x gで90分間,遠心分離を行う。
12.35%と47%のショ糖層の中間層を,パスツールピペットで吸い取り,50 mlプラスチックチューブに回収する.
13.回収した中間層と等量の洗浄バッファーをゆっくりと加え,5分かけてよく混合する.溶液が均一になったら同様に2回、洗浄バッファーを同じ量加え,よく混合する.(計3回洗浄バッファーを加えることになる.)
14.4℃,10,000 x gで20分間遠心分離を行う.上清をデカンとで廃棄し,沈殿を精製ミトコンドリアとし以降の実験に用いる.