東北大学 大学院生命科学研究科

 生 命 素 子 機 能 分 野 Laboratory of Functional Biomolecules
研究室の沿革

生物資源利用学講座(食品保蔵学講座)

 

 本講座は昭和35年、生活科学科が食糧化学科に改組されたときに食品学第三講座として創設され、昭和38年4月に食品保蔵学講座に名称が変更された。初代講座担任の柴崎一雄教授は昭和56年に退官され、その後を山内文男教授が担当された。昭和57年までの講座の沿革は「東北大学農学部35年の歩み」に詳しく記されているので省略する。

 

 昭和58年4月に昇任された山内教授は、昭和59年4月に山形大学教育学部から大久保一良助教授を再び講座に迎え、山岸辰則、鎌田慶朗両助手、及ぴ浅野三夫、岩淵せつ子両技官という講座の陣容を整えられた。この充実したスタッフにより、柴崎教授時代からの講座の主要テーマである大豆の食品科学的研究が行われ、大豆の構成タソパク質の分離と構造の解析、レオロジー的機能特性の解析、大豆の微量成分である糖タンパク質や糖脂質の分離と分析などに多くの研究成果があげられた。これらは、「大豆の科学」(朝倉書店)にまとめられており、山内教授の平成6年度日本食品工業学会賞受賞に実を結んでいる。もちろん、講座に在籍した大学院生、学生、研究生の献身的な協力があったことはいうまでもない。多くの卒業生が職場でも、大豆と直接、間接に関わっていることも講座の特色であろう。

 

 その後、大久保助教授は平成元年3月に新設の食品生物工学研究室の教授として、鎌田助手は昭和63年12月に宮城教育大学に助教授として転任された。また、40年にわたって講座を支えてこられた浅野氏は助手に昇任の後、平成4年3月に退官され、山岸助手も助教授に昇任後、平成4年3月に八戸工業高等専門学校教授として転任された。こうして一時、講座は山内教授と岩淵技官だけで運営されたが、平成4年10月に村本が北里大学水産学部から助教授として任用され、平成5年4月に岩淵氏が助手に昇任するにともない、同年8月永沼孝子氏が技官に採用された。スタッフの交代により講座の研究テーマにも若干の変化がみられた。すなわち、大豆タンパク質を分解して生成するペブプドの生理機能性に着目し、免疫細胞活性化作用や抗酸化作用をもつペプチドを大豆タンパク質分解物から単離し、それらの構造を明らかにするとともに、機能性ペプチドを効率的に生産するための各種バイオリアクターを構築した。この研究は、天然ペプチドをリードとして化学合成した関連ペプチドの構造活性相関の検討による機能性発現機構の解明や新規有用ペブチドの作出へと展開している。平成4年4月の農学部改組により、本講座の名称も応用生物化学科生物資源利用学に変わった。

 

 山内教授は平成7年3月に退官され、村本が同年11月に教授に昇任した。大豆のアラビノガラクタンの構造と生理機能の研究に取り組まれてきた岩淵助手は、平成8年3月に新設された自百合女子大学に助教授として転出された。かくして、大豆といえば食品保蔵、食品保蔵といえば大豆という輝かしい学術的伝統を築かれた職員が、すべて講座を離れられたのは非常に残念ではあるが、今後とも大豆などのタンバク質の生物化学的、食糧化学的研究をタンパク質工学などの新しい手法を取り入れながら進め、タンパク質資源の有効利用へと発展させていくことで講座の伝統を守っていきたいと考えている。(村本光二)

 

 以上「東北大学農学部五十年の歩み(50周年記念誌)」より引用

 

 その後,平成9年1月に小川智久助教授が九州大学理学部から着任,永沼孝子技官が同年4月に助手に昇任した。平成9年4月より大学院重点化に伴い,研究室の名称は生物資源化学講座(大講座)植物資源化学分野, 平成14年4月より大学院生命科学研究科生命有機情報科学講座(大講座)生命素子機能分野となり,現在に至っている。

東北大学大学院生命科学研究科分子生命科学専攻

生命有機情報科学講座 生命素子機能分野

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