研究ハイライト&トピックス

2020/08/24

世界初、根の改良により塩害に強いイネを開発 -塩害水田向けのイネ育種に新たなアプローチ-

農研機構と東北大学、産業技術総合研究所は、塩害水田で生育阻害を回避するため、根の張り方を制御する遺伝子(qSOR1、キューソルワン)を世界で初めてイネで発見しました。塩害水田では塩による直接の害だけでなく、塩による土壌物性の変化で土壌が酸欠となり害を及ぼします。今回発見した遺伝子を制御しイネの根を土壌表面に伸長させ、酸欠状態の土中に根を張らせないことで、塩害による収量の減少を軽減できました。本成果は、地球温暖化で増大する高潮のリスクの高い日本や熱帯アジア地域の沿岸部など、塩害が問題となる地域でのイネの収量安定を目指した品種開発に大きく貢献することが期待できます。 本成果は、2020年8月17日発行の国際科学雑誌「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)」オンライン版に掲載されました。


図1.塩害水田のストレス環境と根の形との関係(イメージ図)
塩害水田での稲の生育不良の主な原因は、塩による直接の害とともに土壌の物理性の悪化で起こる酸欠です。酸欠状態の土壌でも地表面には酸素があることから、地表根を形成する水稲では、一般的な水稲に比べて多くの根に酸素が供給されるため、塩害水田における被害が軽減されると考えられます。

>>詳細(東北大学プレスリリース)

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