木質系バイオマス

 

 近年のエネルギー問題、食料問題の深刻化に伴い、木質系バイオマスからのバイオエタノール生産が注目を集めています。私たちは麹菌のゲノム情報を活用して、木質系バイオマスの分解とエタノール生産に適した麹菌と酵母の育種に取り組んでいます。


6-1. キシロース資化能力を有する出芽酵母の育種

 出芽酵母は優れたエタノール生産能を持っています。しかし、出芽酵母は木質系バイオマスの分解によって生じるキシロースを資化することができません。

私たちは麹菌がキシロースを資化できることに着目し、麹菌のキシロース資化関連遺伝子(キシロースレダクターゼ、キシリトールデヒドロゲナーゼ)を出芽酵母で発現させることにより、キシロース資化能力を有する出芽酵母の育種に成功しました(1)。現在はより優れたエタノール生産性を有する出芽酵母の育種に取り組んでいます

(1) Kaneda et al., Biosci. Biotechnol. Biochem., 2011


6-2. 麹菌バイオマス分解酵素の解析

 麹菌ゲノム解析の結果、麹菌はバイオマス分解酵素をコードする遺伝子を非常に多く有していることが明らかとなりました。そこで、網羅的にこれらの遺伝子を麹菌で高発現させ、高い活性や興味深い活性を示した酵素を精製し、諸性質の決定を行っています。

 

2013年10月20日日曜日

 
 
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