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« 「土のけしき・土のふしぎ」が開展しました | トップページ | 企画展解説 <7. 土をかえる生物> »


企画展解説 <8. おわりに>

 土は、物理、化学、生物、地学など多分野の現象が複雑に 組み合わさったふしぎな世界です。自然の法則だけでなく、 人為も加わります。空気や水を健全に保つことは私たちの生 活の場を快適に保つために必須です。このような身の回りの 保全すべき対象、あるいは理解すべき対象に、土を含めるこ とはいかがでしょうか。

 古代文明のいくつかは大河の下流域に展開しました。そし て、何百年も繁栄がつづいたことはその文明人たちの英知の すばらしさを示しています。しかし、上流部の乱開発が進む につれて、豪雨時に土壌侵食が進み、下流域は洪水堆積物に 埋もれ、文明はしだいに衰退したとの説があります。すなわ ち、土の管理が不十分であったことが文明衰退の重要な原因 のひとつと考え得るようです。

 土の科学の課題は、生物の住む地表面付近の物質収支、物質循環と生物の生育を制御する法則を解明し、土と自然および農業生態系を健全に維持することです。このような努力の中で、さまざまな作物生産や林木生産ひいては炭素貯留などの点でより効率的、かつ環境保全的な土の管理法が開発されれば、さらに幸いです。

謝辞:モノリス採取に協力をいただいた国立公園、国有林および青森県関係各位、福島県農業総合センター、福島県会津美里町 佐藤富雄氏、同河沼郡湯川村 小林孝一氏、およびその他の協力者の方々に謝意を表します。

伊藤豊彰
菅野均志
斎藤元也
斎藤雅典
高橋 正
南條正巳
南澤 究
東北大学大学院農学研究科
東北大学大学院生命科学研究科
東北大学学術総合学術博物館
仙台市科学館

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