研究内容

1 水産資源の資源生態学

 日本の沿岸資源について,生活史全体にわたる資源生態の解明と資源解析を通じて,資源変動パターンおよびその要因を明らかにする。

(対象魚介類:マアナゴ、イカナゴ、ヒラメ、マコガレイ、イシガレイ、異体類全般、マダイ、マサバ、カタクチイワシ、アユ、ワカサギ、アサリ、ヤマトシジミ、イソシジミ、ホッキガイ、アカガイ、ホタテガイ、イサザアミなどなど)

 

2 沿岸漁業学

 多様な漁業が多様な資源を利用し、漁村を支えている沿岸漁業について、その生産を左右する諸要因を明らかにする。

 

3 沿岸域の生物生産学

 沿岸漁業を支える沿岸域の基礎生産の生物生産機構を明らかにする。特に植物プランクトン、底生微細藻類が資源生物(魚類、二枚貝など)の生物生産に寄与している仕組みを解明する。

 

4 成育場評価手法の開発

 河口汽水域、干潟、藻場、砂浜浅海域といった場は、潜砂性二枚貝の重要な生産の場のみならず、いろいろな魚類の成育場として機能している。成育場の重要性を、場の生物生産、個体の分布・成長・生残、個体群レベルでの寄与度から明らかにする手法を開発する。

 

5 環境DNAによる沿岸資源生態の解明

環境DNA調査を通じて、沿岸資源の分布や現存量推定を行います。

 

6 東日本大震災後の浅海域生態系と水産業

 2011年の東北地方太平洋沿岸を直撃した大津波は、沿岸生態系を一変させ、またその場を基盤としている沿岸漁業を停止させた。その影響は7年経過した今も、生物生産の多くの場に残り、また沿岸漁業・漁村で深く尾を引いている。浅海生態系および被災地の現状を継続して調べ、諸問題を示し発信していく。