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石灰中和による腐植複合体アルミニウムの大きな減少

アルミニウム-腐植複合体は,アロフェン質粘土とともに,黒ボク土のユニークな性質(リン酸との高い反応性,低い仮比重など)の基となっており,比較的安定に存在すると考えられてきた.しかし,アルミニウム-腐植複合体の一部はかなり不安定で,pHやイオン強度の変化で容易にAlイオンが放出されることがわかってきている(Takahashi et al. 1995, 1998, 2003).

この論文では,土壌酸性の改良に用いられる石灰(炭酸カルシウム)の施用によって,アルミニウム-腐植複合体(図のAlp)が大きく減少することを示した.人間による比較的弱い土壌への働きかけでも,土壌の基本的性質を大きく変化させる一例である.

(紹介文作成:高橋正,2006-07-27)

taka-06.png

(Takahashi, T., Ikeda, Y., Fujita, K. and Nanzyo, M.: Effect of liming on organically complexed aluminum of nonallophanic Andosols from northeastern Japan. Geoderma, 130: 26-34 (2006))

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