令和元度せんだい次世代農業経営者育成ゼミ

令和元度せんだい次世代農業経営者育成ゼミ開講式を実施しました。

 令和元年7月26日(金)、東北大学青葉山コモンズ内「ラーニング・コモンズ」を会場において、開講式を実施しました受講生10名(2名欠席)のほか、多数のご来賓の皆様にもお越しいただきました。
 東北大学大学院農学研究科の伊藤塾長から、受講生に対する講話が行われました。外部環境の変化に応じた農業経営理念と目標の設定や社会性・文化性・経済性のバリュー・トリニティを大切にした農業経営戦略の考量について語って頂きました。なお、農業者の経営能力とはなにかについて技術力とデザイン力・構想力・リスクマネジメント力・実践力・地域の一員である誇り・謙遜な学習姿勢などを提示し、次代を拓く農業者経営者の姿勢について幅広い観点で語って頂きました。
 続いて、宮城県登米市に本社を置き、宮城県内に34店舗を有する株式会社ウジエスーパーの吉田常務取締役から「アグリ・マーケディング戦略-これからの農業者に求めるもの-」を題にした基調講演が行われました。
 講演は三部に分かれて、第一部では「エコーガニック」をコンセプトに、地球環境にやさしい食品廃棄物を肥料にする循環資源再生利用、商品価値の極大化を目指して地元企業の連携商品開発・販売、無農薬・無化学肥料で不揃い野菜やハーブを栽培する自社農場での障碍者採用などの自社取り組みを例に挙げ、福祉・環境・連携を融合したウジエスーパーの事業展開を説明して頂きました。第二部では多様な写真を用いて、スーパーマーケットの売場とアグリフードEXPO東京両方の現場視点から最新のトレンドを紹介して頂いた。最新のトレンドをキーワードとして「健康志向」「食の安全」「地産地消」「即食の充実」「お手頃価格」「ターゲットは女性」にまとめ、複数のキーワードの集合体で商品ヒットをめざすマーケディング戦略を塾生に提示して頂きました。第三部では塾生への提言として価値の共創・共走、差別化の重視、4Psの思考整理、強みへの集中、仕事への熱意と結びつけて頂きました。
 これから来年の2月まで受講生12名の皆様と一緒になって地域のリーダーとなりうるような農業経営者を目指して頑張っていきます!


8月1日・2日に戦略マネジメントゲームを実施しました。

 令和元年8月1日(木)・2日(金)に経営シュミレーション研修として、戦略マネジメントゲームを実施しました。戦略マネジメントゲームは、参加者の各自が架空の会社を運営し、財務会計の基礎を体感的に学ぶことができるアクティブラーニング形式の研修です。
今回は、塾生に加え、希望する一般参加者2名も加わり、2班に分かれて実施しました。
研修初日の終わりには会計講義も行われ、塾生は2日間にわたる5期の経営を通して、経営感覚と財務諸表作成の原理を直感的に体感し、学習することができました。また2日間の連続した研修を受講したことにより仲間意識が生まれ、和やかな雰囲気の研修となりました。


8月5日に第3回講義を実施しました。

 令和元年8月5日(月)に第3回目となる講義を実施しました。
 ㈱YACコンサルティングの古髙常務取締役をお招きして、財務管理に関する講義を行っていただきました。経理や財務、会計などの用語についての説明後、決算書作成の目的や意義についてお話していただき、実際の企業データを用いて損益計算書についても詳しく説明していただきました。貸借対照表については資本と負債等について図を用いてご説明いただき、決算書を読むポイントについて教授いただきました。
 後半は損益分岐点を中心に講義していただきました。受講生に問いながら固定費や変動費の違いについて説明していただき、実際に財務分析演習を受講生に解いてもらいました。また、農業を営む受講生に対して損益分岐点を用いながら利益をアップする3つのポイント(固定費を削減する、売上高を上げる、限界利益率を上げる)について教授いただきました。
 本講義を通じて、前回のマネジメントゲームからの啓発を振り返るとともに、今後の経営へのヒントを得ることができました。


8月9日に第4回講義を実施しました。

 令和元年8月9日(金)に第4回目となる講義を実施しました。
 1限目は、(一社)日本食べる通信リーグの高橋代表理事をお招きし、「つくる人とたべる人をつなぐ」と題して講義を行っていただきました。「生産者と消費者をつなぐこと」をモットーに食べ物付き情報誌「東北食べる通信」とスマートフォンアプリ「ポケットマルシェ」を展開した経緯を説明していただきました。その後、日本農業の現状確認とともに、工業型食事による都市住民の食への関心の薄さ、都市と農村の繋がりが弱まっている現状を問題意識として提示していただき、今後の日本農業の行方を考えるよい機会となりました。生産性の上昇にとどまらず、農業体験活動、消費者への情報発信、都市住民の第二のふるさとの役目を果たす、といった事を通じて、消費者との繋がりや次世代への伝承を目標にした農産業のエンターテイメント化について熱く講義していただきました。
 2限目は塾長である伊藤教授の「経営理念をつくる」と題した講義が行われました。まずは、自分の経営理念を考える背景知識として図表を用いて日本の食料問題(消費構造の変化・フードチェーン構造の変化・世帯構成の変化)を受講生に説明していただきました。その後、先進事例として有限会社伊豆沼農産と株式会社京丸園を挙げながら、経営理念を考える上での基本となる視点(社会性・文化性・経済性)を受講生に提示していただきました。今回の講義後は約2か月の夏休みに入るため、塾長から「自分の農業経営の理念をつくる」という宿題が出されました。塾生の経営実行の第一歩として、どんなアイディアが生み出されるのか期待しています。

 

 


10月23日に第5回講義を実施しました。

 令和元年10月23日(水)に第5回目となる講義を実施しました。
 (同)キャリア・リソース研究所の阿部裕一社会保険労務士をお招きして、事業主を取り巻く雇用問題である働き方改革への対応、人手不足対策や人材育成対策について講義を行って頂きました。まず、働き方改革関連法の改正内容をご紹介いただき、中小企業を対象にした改正内容について詳細説明を行いました。そして、実際農業経営体の労務管理での注意点(労働条件の書面管理・労働時間賃金の記録義務や安全衛生対策等)を指摘して頂きました。続いて、働きやすい職場作りについて農業法人の好・一般事例を挙げながら雇用管理の改善案を分かりやすく説明して頂きました。最後に問題解決に向けた人事施策の視点として、特に農業経営体で弱い働くモチベーションを上げるポイントを指摘し、人材確保と定着につながる取り組みを紹介して頂きました。


10月30日に第6回講義を実施しました。

 令和元年10月30日(水)に第6回目となる講義を実施しました。
 (株)河北新報社の門田一徳記者をお招きして、「アメリカのCSAから学ぶ」を題に講義を行って頂きました。ご自身の取材経験を紹介しながらCSAの定義、取引方式、ルール、マーケットスタイル等を分かりやすく説明して下さいました。滞在地であったニューヨーク州イサカ市でのCSA実践例を紹介し、CSA取引の幅広い展開(生鮮食品からパン・ワインなどの加工品まで)、作る人と食べる人がWin-Winとなるメリット性、場所・規模による取引スタイルの多様性(農作業小屋・ファーマーズマーケット・バー・職場CSA)などを説明しました。また、地域内資金循環率の比較図を用いてCSAによる地域活性化効果を数値的に示してくださいました。最後、日本での事例も取り上げ、塾生に身近でもCSAが展開されていることを教え、地域特性に応じた柔軟な思考でマイCSAを作り出そうと提言して頂きました。講義後、塾生との質疑応答を行っていただき、塾生が実践中また考案中のCSA寄りプランを一緒に考え、良い刺激を与えて下さいました。


11月6日に第7回講義を実施しました。

 令和元年11月6日(水)に第7回目となる講義を実施しました。
 1時限目は㈱エスエムティの小島代表取締役をお招きして、「ビジネスプラン作成のポイント」を題に講義して頂きました。事業計画策定のステップを沿って、事業環境の分析把握から戦略企画の確定までの段階を説明し、財務シミュレーションを交えて戦略を絞り込みながら事業計画を実行する重要性を指摘しました。ストラテジー・クエスチョン(戦略の基本)として、「自分はどこにいるのか」、「どこに向かいたいのか」から「何を変えるべきか」、「どのように測るか」の質問形式でPDCAサイクルと関連付けて説明して頂きました。その後、経営基盤をもとに事業成功要因とマーケティング戦略構築ステップを塾生に提示し、PEST分析とVRIO分析を用いる経営戦略の策定と評価方法を塾生に紹介して下さいました。最後に、今後事業計画を作成するにあたっての事業構想シート作成を宿題として課されました。
 2時限目は農林水産省経営局保険課農業経営収入保険室の窪山富士男室長をお招きして、最新の農業政策についてお話し頂きました。戦後農政の大きな流れから始まり、現在の農業の取り巻く環境、現政権下での農林水産政策の改革の全体像など基礎的なところから教えて下さいました。特に昨年度からの台風豪雨などによる農林水産関係の被害状況と復旧・復興状況を紹介し、農業経営に係るセーフティーネットの変遷を細かく説明して頂きました。そこで、収入保険制度についても従来制度との比較や現在の加入状況などについてデータを用いて紹介し、塾生に経営状況に応じた保険対策の取り入れを勧めて下さいました。最後に、来年農政基本計画の策定に向けて、現行の取組と施策方向を塾生に説明しながら、現場の意見を積極的出すようと塾生に声掛けしました。


11月20日に第8回講義を実施しました。

 令和元年11月20日(水)に第8回目となる講義を実施しました。
 前回に引き続き㈱エスエムティの小島代表取締役をお招きして、1時限目は事業計画の作成にあたってのポイントについて語って頂きました。5W1Hの疑問形式を用いて「その事業をなぜ必要と考えるか?」、「その事業をどのように実現させるか」などを丁寧に掘り下げて、自身が事業に対しての必要性や意義についてしっかりと答えられるかを問いかけました。事業作成の5つのキーポイントとして、「客観的であること」「一貫していること」「具体的であること」「目的に合致していること」「実現可能であること」を挙げ、例に沿って話しました。また、実際に農業を例に売れる商品(農産物)づくりのステップを細かくわけ、マーケディング構図(STP)を紹介しながら事業計画を作成する際のヒントを教授してくださいました。その後は、受講生が後半で行う事業計画作成のフォーマットを実際の事例に沿って教えていただき、何をどのように具体的に書くのかについて述べました。
 そして、2時限目は受講生に事業計画を実際に作成してもらいました。事業計画作成の経験者もいたが、最初のアイディアから苦労する塾生が多かったです。それに、小島先生や塾長と一人ずつの会話を通じて塾生自身の経営を見直し、現事業の展開方向も新事業の創出もイメージできるようになりました。途中までとなったが、塾生が未完成の事業計画書を宿題として持ち帰り、塾長や小島先生と連絡を取りながら作成を続けて、次回1月17日に完成と演習発表を目指すようと講義を終えました。


12月4日に第9回講義を実施しました。

 令和元年12月4日(水)に第9回目となる講義を実施しました。
 一時限目は(株)パイロットフィッシュの五日市知香代表取締役をお招きし、お客様に選んでいただける農業食品分野の商品開発についての講義をして頂きました。まず、商品開発の最初段階において、商品コンセプト(方向性)の重要性や消費者目線のコンセプトの立て方、動く商品のキーワードについて事例を交えて説明して頂きました。続いて、ターゲットの決め方、シーンによる商品の使い分けや企画から商品開発までの段取りについて、ご自身の経験談を交えながらお話をして頂きました。また、商品表示の注意点、価格設定の工夫やFCP商談シートの作成について細かくご説明頂き、塾生にご自身の状況に応じての商品開発を提言してくださいました。最後は商品販売の段階において、生産者も商品であること、取材側へ常に感謝すること、物語(ストーリー)の要素を取り入れることについてもご説明頂きました。講義全体を通じて、商品開発の流れや注意点、動く商品の開発に必要なポイントを塾生に教えて頂きました。
 そして、二時限目は岩沼技術士事務所の岩沼幸一郎代表をお招きし、6次産業化研修-農産加工における食品衛生、食品表示についての講義をして頂きました。最初に、日本における食中毒の発生状況についてお話しされ、日本では海外に比べて食中毒の発生件数が少ないものの、毎年食品中毒で死者が出るほど食品衛生の課題も重大であると指摘しました。そのため、国内における食品衛生管理の更なる強化を目的とした食品衛生法の改訂が実施されました。フードチェーン全体での管理が必要という現在食品衛生管理の考え方を紹介しながら実施策としてのHACCPシステム導入による衛生管理の制度化とそれに基づいた衛生管理事項についてご説明頂き、塾生に衛生管理手引き書の活用を助言してくださいました。その後、農産物における有害微生物汚染対策として家畜ふん堆肥、水、有害生物の管理や従業員管理のやり方を教えて頂きました。最後は、GAPへの取り組みや食品表示についてもお話し頂きました。


12月18日に第10回講義を実施しました。

 令和元年12月18日(水)に第10回目となる講義を実施しました。
 前半の講義では百貨店の視点から、まず、百貨店における農産加工品の問題点について、消費の低迷、競合異業種の増加や家族構成の変化などといった百貨店を取り巻く環境が変化していること、農産物の5W2Hが不明確であることや消費者と生産者のつながりが出来ていないことなどを指摘しました。この問題点を踏まえて、接客販売のポイントについて説明して頂き、8つのポイントを受講生に問いながら説明して頂きました。その後、今求められている商品について、「ニーズがあるからモノを作る」、「商品を通じて地域や人柄を売り込む」、「マイナスの中にも必ずプラス要素がある」「生産者の顔が見える安心感」、「地域との親和性」、「産学連携によるギフト商品開発」…といった商品づくりのポイントと今後の方向性を(株)藤崎の取り組みを実例として挙げながら説明して頂きました。
 後半の講義では、塾生の関場さんとの商談実演を行い、バイヤーとの商談成功の秘訣を詳しく教えて頂きました。商談実演は名刺交換から始まり、「名刺」が第一印象を大きく変える重要なツールであることを関場さんの名刺を用いて説明して頂きました。その後、商談者である塾生の話を引き出しながら商談進行を行い、商品づくりにおける独自性のアピール、多様な食べ方の提案、試食品の用意やパッケージデザインの工夫などの注意点を商談成功のポイントとして挙げながら商談の実践法を詳しく説明して頂きました。商談実演を経験した塾生張本人だけではなく、他の受講生も関心をもって積極的に商談のやり方を考えているように見受けられ、今回の講義は塾生自身の経営における販路拡大に繋げると願っています。最後は、バイヤーとの商談を通して実際に(株)藤崎で取り扱うようになった商品(とうもろこしフレーク、ブルーベリーのジャム)の試食も行いました。


12月20日に第11回講義を実施しました。

 令和元年12月20日(金)に第11回目となる講義として、現地視察に行ってきました。
 今回の現地視察は福島県郡山市に位置する「鈴木農場」にお邪魔して、3代目の鈴木光一さんにお話を伺ってきました。まず、圃場の方を案内して頂いて、圃場の様子や郡山ブランドとして売り出す野菜を現場で塾生に見せながら土づくりのこだわりや野菜栽培の品種選択のポイントなどを教えて頂きました。その後、大槻町北公民会館をお借りして鈴木さんから直売所経営のポイントや野菜のブランド作りに関する講義が行われました。鈴木さんから農産物直売所と種苗店の経営を兼ねて、「野菜の品種力で直売所を元気にする」ことをコンセプトに、鈴木さんは「品種を選ぶ」「出荷時期を計画する」「美味しさと思いを伝える」「お客さんと出会う」「農産物ブランディングで競争力を高める」の五つのポイントを重視した経営の仕方をご説明頂きました。特に、農産物ブランディングの話について、ご自身が立ち上げた「郡山ブランド野菜」の仕組みを詳しく紹介し、ブランド野菜の収益性を数値にしたことで、塾生に野菜ブランディング戦略の重要性を分かりやすく感じさせました。その後、鈴木農場の野菜を扱っているBest Tableにて昼食を取り、鈴木さんがこだわりを持って作った野菜を美味しく頂きました。


1月17日に第12回講義を実施しました。

 令和2年1月17日(金)に第12回目となる講義を実施しました。
 今回は㈱エスエムティの小島代表取締役をお招きして、一時限目は事業計画の完成に向けての資金計画などのポイントについて講義して頂きました。事業計画とは経営環境が変化する中でどのように予測し、対応すべきものとして必要あるものだと改めて事業計画の意義について説明を行ってくださいました。その後、資金計画では設備資金や運転資金の金額や調達の方法などの記載について説明を行い、売上・利益等の計画では、1年ごとの売上高や原価、さらには積算根拠などの書き方についての説明をしてくださいました。また、事前にメールで送った添付ファイルの貸借対照表や損益計算書などの文書の活用についても説明して頂き、事業計画の中でいかに数字を用いて事業の実現性・信頼性を高めることの重要性を受講生に説明して頂きました。
 二、三時限目は出席した受講生12名が、それぞれの事業計画について、持ち時間15分の発表を行いました。その後、小島先生、日本政策金融公庫の石川課長や塾長から講評して頂きました。塾生の発表は事業内容や完成レベルに応じてバラつきはありましたが、多彩な発表演習となりました。小島先生からは受講生各自の事業計画においての助言や留意すべき点について鋭い指摘をするとともに、修了式での本番発表に向けての修正ポイントを提示してくださいました。日本政策金融公庫の石川課長も金融機関の視点から鋭い質問を投げ、主に資金面と事業計画の持続性について切実な助言を塾生にくださいました。今回の指摘を踏まえて、各自の事業計画を再来週の修了式までに修正を行い、塾生の半数を選定して発表してもらうことになっています。実際に開発した商品である漬物を持ってきて試食を行う塾生もいたり、講義後各自の事業計画を相談する塾生もいたりして、和気あいあいとした講義風景でした。


1月23日に第13回講義を実施しました。

 令和2年1月23日(木)に第13回目となる講義として、現地視察に行ってきました。
 今回の現地視察は山形県に足を運び、午前中は東根市に位置する「おによめ.com」にお邪魔して、リーダーの北村陽子さん及び他のメンバー方4名にお話を伺ってきました。「おによめ.com」は子育ても終わり、ゆとりもできたと思いきや、親世代の世話に追われる日々を過ごしている言わば「農家の嫁」6名による集団であり、みんなの得意技と空いている時間を持ち寄って、無理のない範囲内で漬物・ジャム製品やお菓子の生産販売を行っています。構成メンバーは個性豊かで、各自の得意技とイメージカラーを持ち、6名のおばレンジャーと自称していました。命名や活動内容からも伺える遊び心のように、当日の視察研修も始終笑いが絶えず、歓談形式で行われていました。「おによめ.com」の目玉商品を頂きながら、北村さんから簡単に組織設立経緯や事業内容の紹介が行われ、その後、塾生や関係者と積極的に意見交換を行いました。木村さんを始め、メンバー方は「おによめ」の命名理由から家庭的事情の話も、新商品開発の工夫やメンバー関係性調和の話も気軽に打ち明けてくれて、あっという間に2時間の研修を終えました。
 午後の現地視察は天童市に位置する「王将果樹園」(株)やまがたさくらんぼうファーム(以下、王将果樹園)にお邪魔して、矢萩美智代表取締役にお話を伺ってきました。王将果樹園は午前中の視察先と真逆とも言えるような大規模観光農業を展開しており、果樹園と併設のカフェで年間接客数は6万人を超えています。矢萩代表からの講義では、まず、日本農業の背景及び観光農業の位置付けを説明し、その後、王将果樹園の設立経緯、経営理念・目標や事業展開について説明して頂き、日本一の農業を目指すために何をすればよいかを塾生と熱く語り合いました。また、長年経営第一線に立つ人の視点から経営戦略の構築や策定を塾生に細かく教えてくださいました。特に、戦略策定については早めのブランド確立、積極的な情報発信、仲間づくり、ハード面の整備、補助金・制度資金の活用や六次産業化への取り組みなど実務的な注意点を説明してくださいました。最後は、塾生との意見交換も行われました。


1月28日に修了式を実施しました。

 令和2年1月28日(火)に本年度の締めくくりとして修了式を開催しました。
修了式には、塾生1名が仕事の都合で欠席し、計11名が参加しました。
塾長の東北大学大学院伊藤 房雄 教授から挨拶が行われ、今年度のカリキュラムを振り返りながら、改めて本ゼミの狙いと塾生に対する期待を述べました。そして、記念撮影のあと、塾生11名から、ビジネスプラン(事業計画)の発表が行われました。
今年度も、コメンテーターとして、塾生のビジネスプラン作成に関する講義を行って頂いた(株)エスエムティの小島 壯司 代表取締役、戦略マネジメントゲームや財務管理に関する講義を行って頂いた(株)YACコンサルティングの古髙 伸一 常務取締役の2名に参加を頂き、塾生のビジネスプランに対して助言、講評を行って頂きました。塾生にとっては、参加者の前でプレゼンテーション発表をする良い機会となり、また、コメンテーターとの質疑応答でのディスカッションの中で多様な視点からビジネスプランを見直すことができて、今後の経営発展につながるに違いないと考えられます。
なお、最優秀ビジネスプランは、コメンテーターの選考により、実現可能性や将来性等の観点から高評価を得た広瀬ファーム株式会社の相澤良成さんが選出されました(第2位の優秀ビジネスプランは、農事組合法人マキバファームの石舘浩二さん)。その後、伊藤塾長から全体の講評がなされ、また本ゼミ今後の予定について、特に3期に渡り、塾生同士の「横」と「縦」のネットワークづくりに対する展望を話して頂きました。
最後は、塾生に対して修了証を授与し、仙台市経済局農林部の横山 敦史 部長より閉会の挨拶が行われ、修了式を終えました。