復興農学講義・実習

東北復興農学センターと認定資格

 本センターは、被災地の農業・農村の復興を先導する人材育成や、今後懸念される大規模自然災害等の諸課題を学際的視点から教育・研究することを目的に2014 年4 月に設立されました。
 現場に直結する講義・実習は、本学・他大学の学生及び社会人問わず受講でき、その修了者には復興農学マイスター(CAR)及びIT 農業マイスター(CAIT)の資格が与えられます。そのうち、震災復興に関連した研究を行っている本学の学生に対しては、卒業論文等の内容に基づいて、各マイスター(CAR、CAIT)の上位資格として、復興農学ジュニアフィールドスペシャリスト(JFS)、復興農学フィールドスペシャリスト(FS)の認定を行っています。

第7期復興農学中止のお知らせ

*第7期の復興農学講義及び実習につきましては新型コロナウイルス感染症の影響により中止とすることといたしました。

3/25の学位記授与式にて、ジュニアフィールドスペシャリストを5名が授与しました。
みなさま、認定およびご卒業おめでとうございます。

非常食や寝袋での就寝等、実習を通して経験

8/2に川渡、8/3~4に葛尾村で復興農学フィールド実習を行いました。
葛尾村ではグループに分かれ、佐久間牧場、石井食堂、元繁殖農家哲山さん、金泉ニット、葛尾むらづくり公社、葛尾郷土文化保存伝習館、おふくろフーズ、害獣駆除団体、活性化センター那須野さん、かつらお胡蝶蘭合同会社、大尽屋敷、牛屋さん等をそれぞれ見学しました。最後に、2日間にわたり訪問をして聞き取ったことをまとめ、そこから考えられる葛尾村のポテンシャルや課題解決策などを班ごとにまとめ、発表しました。

今回は、災害などが起こったときに率先して食事提供の補助ができるよう経験をするという目的で、夕食のメインメニューに非常食を取り入れました。非常食を作るのも食べるのも初めてという学生が大半でした。まず袋に書いてある作り方をよく読むところから始まり、安全にお湯を注ぐことや、「熱いので気をつけてください」といった声かけをしながら準備をしました。思っていた以上においしかったという感想が多かったです。また、葛尾中学校で寝袋を使用しての就寝となりましたが、こちらも震災時の行動を経験できてよかったと好意的な意見が寄せられました。

畜産に特化した今年の被災地エクステンション

5/24に62名の受講生を迎え開講式を行いました。5回の講義を終え被災地エクステンションを今年も葛尾村で行いました。
これまで東北道を通ることが多かったですが、常磐道を通り浪江ICで降りて、帰還困難区域を車窓から見学しました。到着後は葛尾村役場で葛尾村の復興の歩みについて講話を聴き、役場職員の方々と哲山さんとともにお弁当を食べながらのランチミーティングを行いました。
午後は見学先の一つである哲山さんのコメントをいただきながら、畜産の事前学習として震災時の葛尾村の畜産農家に関するDVD鑑賞を行いました。
その後佐久間牧場と哲山さんの2グループに分かれ見学を行いました。

自動潅水装置の自作に励む受講生

8/3~5日に葛尾村で復興農学フィールド実習を行いました。

また、8/18~19,25に青葉山キャンパスにてIT農学実習を行いました。
・イメージソリューション概要と事例紹介(トライポッドワークス㈱渋谷様)
・センサーシステム概要と事例紹介(SJC相原様)
・班ごとに①「モデル農家(10aあたりの収穫量・圃面積等)の作成」についてディスカッション
・IT農業とイノベーション・ICTの2つの役割(岩本先生)
・農業分野におけるリモートセンシング(米澤先生)
・ドローンとIoTデバイス活用による圃場調査事例紹介(アイエスビー東北岩佐様)
・班ごとに②「①を用いてIT化によるコストカットがどこまで可能か計算を行う」についてディスカッション

を行いました。
岩本先生の湿り気センサーにコードを接続/ラズべリーパイへのはんだ付け/ラズベリーパイとPC接続を行った自動潅水装置を作成する実習は受講生にとても好評でした。

あぜりあのオープンセレモニーに参加

第5期は68名の受講生を迎え開講しました。

今年の被災地エクステンションは学内との兼ね合いで参加者を2つに分けて2回行いました。初回の6/16は葛尾村の「復興交流館あぜりあ」のオープン記念日で、受講生はセレモニーに参加させていただきました。また、葛尾むらづくり公社松本理事、葛尾村議会議員松本操さんより葛尾村の震災前~現状、課題等レクチャーいただきました。

2回目は30日に行い、参加者は草刈りなどの農作業を経験しました。

フィールド実習で交流深まる

6/10に葛尾村でエクステンションを行い、8/5~8/7では岩沼市・川渡フィールドセンターにて復興農学フィールド実習を行いました。
千年希望の丘(陶山先生)
・実習1(小倉先生)
・実習2(伊藤先生)
・蕪栗沼近辺の水田見学(伊藤先生・現地農家の方)
・エネカフェメタンの見学(多田先生)
・グループディスカッション・シェア・講評
と行い、途中ジンギスカンパーティーやお米の食べ比べを行うなど、受講生同士交流を深める催しも盛りだくさんでした。

第4期復興農学開講

5/12に社会人26名、学生48名を迎え第4期開講式を行いました。今年の復興農学講義は

①新技術を被災地復興に生かすためには(中井先生)
②被災地経済の復興とその課題(大村先生)
③耐塩性植物の育種(北柴先生)
④畜産による被災地の復興を考える(小倉先生)
⑤福島の被災地域の河川における魚への影響(中嶋先生)
⑥遺伝的地域性に配慮した津波被災海岸林の再生(陶山先生)
⑦海の恵みの有効利用-水産物の利用・加工の可能性-(中野先生)
⑧農林水産業におけるエネルギー生産と資源循環の構築(多田先生)
⑨農業・農村政策と震災復興(石井先生)
⑩稲作農業生産環境の震災被害からの修復と環境保全型農業(伊藤先生)

の全10回となっております。

 

 

マイスターに延べ83名、スペシャリストに14名輩出

9/24に行ったマイスター認定式では第3期復興農学マイスター45名、IT農業マイスター38名を輩出、3/25に行った学位記授与式ではマイスターの上位資格である復興農学ジュニアフィールドスペシャリストに9名、フィールドスペシャリストに5名を輩出しました。

みなさま、認定およびご卒業おめでとうございます。

第3期開講、復興農学フィールド実習の実施

5/13に受講生のべ76名を迎え開講式を行いました。全10回の講義と被災地エクステンションを終え、7/22~/724に復興農学フィールド実習、8/20~21、27日にIT農学実習を行いました。

IT農学実習では、
・大村先生によるイントロダクション
・菊池先生によるAgricultural informatics概論等に関する講義
・東北学院大学岩本先生によるサイエンティストとテクノロジスト等に関する講義
・SJC相原様によるセンサーシステム概要と事例紹介に関する講義
・「若い農業就労者を増やすためにどのようなことが考えられるか」をテーマにディスカッション

・米澤先生による農業分野におけるリモートセンシングに関する講義
・アイエスビー東北岩佐様の空間情報の活⽤事例とソリューション紹介に関する講義
・トライポッドワークス㈱渋谷様のイメージソリューション概要と事例紹介に関する講義
・バス移動で名取市にある宮城県農業高校に向かい、トマトや梨等のハウスを⾒学

最終日は班ごとで、各社提供のデータ(ソリューション)を実際に⾒たり、機器の操作体験を行いながら、それらから気づきを得て、儲かる農業のアイデアソンと、「TPW・ISB・SJCおよびNTTドコモのITデバイスから得られたデータ(ソリューション)を⽤いて、儲かる農業の提案をする。」をテーマにディスカッションを行いました

第2期マイスターは延べ61名

■復興農学フィールド実習(7/24~7/26)は、岩沼千年希望の丘(植栽樹木の生育調査・陶山准教授)、塩釜(メタン発酵施設・多田准教授)、(田尻ふゆみずたんぼ・伊藤准教授)、川渡フィールドセンターを主な活動場所として、2泊3日で実施しました。
■IT農学実習(8/29~8/30、9/5)を雨宮キャンパスおよびさくらホールで実施しました。ITを利用してのQOLの向上と、その可能性(東北学院大学・岩本先生)、IT農学の先端・現状について(菊池特任教授)、ITを活用した農業の現状と課題、将来像(センサー遠視監視を中心とした)(㈱SJC・相原様)、カメラソリューション(トライポッドワークス㈱・渋谷様)、手軽に使える圃場センシング(㈱アイエスビー東北・岩佐様)について実習を交えながら講義をお行い、最終日には菅野先生による鹿島台の原子見学を行いました。
【マイスター認定式の様子】
9/26に第2期マイスター認定式を執り行い、2回目のマイスターを輩出しました。復興農学マイスター(CAR)32名、IT農業マイスター(CAIT)29名の皆さん、おめでとうございます。


第2期復興農学開講、女川町で被災地エクステンションの実施

5/15に第2期復興農学の開講式を迎え、これまでに環境保全型農業や防災林についてなど5回の講義を受けました。

6/13(土)には女川フィールドセンターで被災地エクステンションを行い、59名が参加しました。午前中は池田先生の講義を受け、ゆめハウス(一般社団法人コミュニティスペースうみねこ)さんにご提供いただいた地元の特産物を使用したお弁当をいただきながら、ゆめハウス代表の八木さんに講話いただきました。女川町長の須田さんの講話を聴いた後は2グループに分かれ女川新駅舎と復興まちづくり情報交流館、女川町地域医療センターなどを見学しました。

第1期マイスター延べ94名輩出

【実習の様子】

被災地エクステンション(8/30)は、仙台市東部方面(伊藤房雄教授)と東松島方面(中井教授)の2コースに受講生を分けて行いました。
復興農学フィールド実習(7/25~7/27)は、岩沼千年希望の丘(植栽樹木の生育調査・陶山准教授)、塩釜(メタン発酵施設・多田准教授)、(田尻ふゆみずたんぼ・伊藤准教授)、川渡フィールドセンターを主な活動場所として、バス2台(参加54名)2泊3日で実施しました。
IT農学実習(8/31、9/5~9/6)を雨宮キャンパスおよびさくらホールで実施しました。東北学院大学工学部の岩本准教授や東北スマートアグリカルチャー研究会に所属するIT企業の方々も講師に招き専門性の高い講義を行いました。

 

【マイスター認定式の様子】

5/16に開講式を行ってから全10回の講義と3つの実習を追え、9/27に第1期マイスター認定式を執り行い、最初のマイスターを輩出しました。復興農学マイスター(CAR)50名、IT農業マイスター(CAIT)44名の皆さん、おめでとうございます。マイスターからは以下のような感想をいただきました。

 

■社会人の方々や自分の知らない業界の方々と話すことで価値観の幅が広がった。色々なことに積極的にチャレンジするようになった。 (学生)
■大規模集団化と併行して、中小経営規模に見合った協業化を働きかけながら、とくに若手の生産者の支援を考えていきたい。ITを活用しながら有機農法を普及させたい。 (社会人)

 

修了後の皆様のご活躍をお祈り申し上げます。

第1期生、103名で開講

5月16日(金)、開講式および第1回講義(中井教授)が開講しました。HP掲載やプレスリリースで受講者を募集した結果、学生・社会人いずれもが予想をはるかに超える人数が受講を申し込んだために、教員が講義回数を増やすなどして対応します。テーマごとの担当教員の他、中井教授、陶山准教授、伊藤(豊)准教授、大村助教がディスカッションのサポートに入ります。