浜通りエクステンションツアーを行いました

延期していた浜通りエクステンションツアーを10/10(日)に行い、12名が参加しました。
これまでは葛尾村を中心に訪問ツアーを行っていましたが、今年度採択された令和3年度「大学等の「復興知」を活用した人材育成基盤構築事業」の一環として、南相馬市・浪江町にも活動範囲を広げていきます。

特に南相馬市については今回は初めての訪問となりました。
浜地域農業再生研究センターの常盤所長からは、ヘアリーベッチをはじめとする緑肥の効果や様々な防護柵における対応獣種とコスト対策などの実証研究事例の紹介、震災前後の農作物の作付面積の比較紹介等のお話をいただきました。学生からの、「なぜトルコキキョウを選んで栽培したのか?」という質問に、他地域での催場実績があるためデータがあったことと、ハウス栽培のため小規模でも始められること、玄人向けの品目のため技術を身につければ小規模でも収益をあげられるためと回答されました。

小高工房の廣畑さんからは、震災当日のご自身とお子さんの様子、避難指示を受け、それから解除された小高区について、3人で15本の苗から始めた唐辛子プロジェクトについて等お話しいただきました。廣畑さんは、「震災とは何か」考えたときに「明日の予定がなくなること」だと感じたそうです。
午後は唐辛子の収穫体験をさせていただきました。「緑の部分がなく、胎座がしぼんだ真っ赤なもの」を収穫するよう説明いただき、参加者同士、これはまだ先が緑だ。(列になって端から収穫していたのに)ここ見落としてた!と話しながら収穫を楽しんでいました。新型コロナウイルスで参加者同士のコミュニケーションをなかなか取れない中で貴重な時間でした。


浪江まちづくり公社の菅野さんには昨年同様請戸地区のガイドをお願いしました。請戸漁港は初めての見学となりました。請戸の漁師は腕が良く、震災前は刺網漁法で生きたまま魚を取り、活魚として東京の市場に卸していたといいます。昨年4月から水産業の共同利用施設・市場が再開し、水揚げが再開したため町内にも新鮮な魚が出回るようになったそうです。
浪江町の津波被災地の方の一番の願いは早くお墓を作ってほしいということでした。そこで町の震災後第一号の公共事業として行われたのが大平山霊園の整備でした。お盆とお彼岸には復興支援の方々で霊園にテントを張り、再開の場としました。

ご協力いただいたみなさま、誠にありがとうございました。

2021年10月15日