ブタを対象とした育種価評価の実施単位は、全国評価へと移行していきます。このとき、通年で記録の得られる形質は、季節や地域の影響を受けることから、育種価評価の際に考慮する必要があります。このとき、気象庁の気温データを活用できるか検討するための研究を行っています。
・研究業績:Hara et al. (2022), Ogawa et al. (2022)
ブタの産子数は、遺伝率が低く、表現型が雌にしか表れない限性形質であることなどから育種改良が困難な形質の1つです。この産子数を改良するため、養豚農家から得られた複数産次の記録や血縁情報から、遺伝的能力を推定するための最適な数学モデルを探索する研究を行っています。
・研究業績:今田ら (2019), Konta et al. (2020), Ogawa et al. (2019, 2020, 2021)
ウシの消化管メタン排出量は、畜産分野における温室効果ガスの主要因として考えられており、効果的な抑制方法をが求められています。メタン排出量は、これまでに飼料やルーメン微生物叢の影響が大きいことが知られていました。しかし、近年の研究から個体自身の遺伝的能力によってメタン排出量に差が見られることが分かってきました。そこで、メタン排出量を抑制するための育種方策について実データを元に検討する研究を行っています。
・研究業績:Uemoto et al. (2020)
家畜の育種改良が行われる一方で、遺伝的多様性が消失してしまう恐れが考えられます。そこで、ウシなどを中心に遺伝的多様性を評価するとともに、生産性の増加と多様性の維持を両立するための評価法および保全法に関する研究を行っています。
・研究業績:Uemoto et al. (2021)
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