2012年度活動報告

所属:東北大学大学院農学研究科 栽培植物環境科学分野
担当:伊藤豊彰、齋藤雅典   研究室のホームページはこちら

課題:2年目の津波被災農地の復旧支援
  ~除塩後土壌の塩分調査、堆積泥土の解析を農地回復の基礎資料に~

・石巻、亘理地域の津波被災・除塩工事終了土壌の継続塩分調査を宮城県普及センターと共同で実施。
・表層土にはナトリウムが残存し、カルシウムが減少している。
  ▶カルシウム資材による土壌改良が必要か?



・津波によって運ばれ、堆積した泥土の硫化物の分析を継続して実施(上左図)。堆積後1年後の泥土の土壌混和の影響をポット栽培試験(イネ)で評価した(上右図)。
・多くの泥土堆積物では硫化物がさほど多くないが、約1割の地点では除去しないと硫化物による問題が生じる可能性があること、現在も放置された厚く堆積した泥土を土壌混和した場合、塩害を生じることを明らかにした。



◆研究プロジェクト:日本鉄鋼協会の産廃プロジェクト展開鉄鋼研究(2012-2014)「製鋼スラグによる東日本大震災で被災した沿岸田園地域の再生」(代表:東北大学、北村信也教授)に、農学研究グループリーダー(分担者)として参画。
◆論文・解説等:北村信也、伊藤豊彰、丸岡伸洋、柴田浩幸:製鋼スラグによる被災農地の再生、金属、82:73-77(2012)
◆その他(普及啓発等)の活動:農家研修会講師(1)、学会発表(1)、シンポジウム・研究会等発表(4)、出前授業講師(1)


※その他(普及啓発等)の活動の詳細
学会
秋田和則、千葉ゆか、菅野均志、高橋正、南條正巳、齋藤雅典、伊藤豊彰:平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震津波の宮城県沿岸部農地への影響−津波堆積物の可酸化性硫黄−、日本土壌肥料学会(鳥取大学、2012年9月4〜6日)

出前授業
伊藤豊彰:津波塩害農地を復旧するために必要なことー土の科学と水田の多面的機能への認識、出前授業(ユニバーサイエンス講座)、公益財団法人東北活性化研究センター主催、福島市松韻学園福島高等学校、2012年6月21日

オープンキャンパス
伊藤豊彰:2年目の津波被災農地の復旧支援-塩分が除去された土壌を継続的に調査し、土壌を適切に改良・復旧する-、東北大学農学部オープンキャンパス、(ポスター展示)、2012年7月30〜31日

研究会
伊藤豊彰:2011年東北地方太平洋沖地震津波による水田被災状況とその修復に向けた転炉スラグの活用、第38回的場記念川渡
セミナー、東北大学的場記念川渡セミナー開催委員会主催、2012年8月23日

シンポジウム
伊藤豊彰:津波被災農地の復旧に向けてー除塩後の土壌肥料学的課題、農業・農村の地域再生に関する技術シンポジウム、農研機構農村工学研究所・東北大学農学研究科共催(2012年年11月15日)、

農家研修会
伊藤豊彰:水田土壌の津波被害と対策、震災農地の再生に向けた技術研修会、宮城県石巻農業改良普及センター主催、石巻市、2012年12月14日

研究会
伊藤豊彰:水田土壌の津波被害と修復に向けた技術的課題、平成24年度東北農業試験研究推進会議生産環境推進部会土壌肥料研究会、東北農業研究センター主催、盛岡市、2013年1月30日