1月13日 浪江町エクステンションツアー開催

令和4年度復興知事業の一環として浪江エクステンションツアーを行い、14名が参加した。

2021年10月より内部公開を開始した震災遺構請戸小学校跡地は、まちづくりなみえ職員の方にガイドを依頼し、基礎の残っていない児童教室や分電盤の倒れた職員室、水道栓や蛇口のひしゃげた手洗い場などを見学した。校舎外にある時計が15:38で止まっているのは、津波の第一波が来た時間ではないかということだった。

大平山霊園では、震災当時は霊園ではなく、整備されていない大平山だったこと、生徒が大平山に到着した数分後に津波が押し寄せてきたこと、決められた避難経路通り逃げていたら間に合わなかった可能性もあったことなどを伺い、学生は遠くに見える請戸小学校を眺めながら当時の混乱していたであろう現場を想像した。

この他、棚塩産業団地では、福島水素エネルギー研究フィールドと福島高度集成材製造センターについて説明をうけた。

浜地域農業再生研究センター様からは、幅広い学科の学生向けに農業より震災に重きをおいたお話をしていただいた。農作物や畜産のセシウム量はカリウムで対応することにより大幅に削減することができることがわかり、「人が栽培できる作物はコントロールできる」という話が印象的だった。質疑応答では、「(学生)もし原子力発電の事故がなく、津波の塩害被害だけだったら土壌の回復はもっと早かったのか」『(研究センター)岩手、宮城の経過を見ていると分かるが、あと数年で回復すると思う。福島は津波の被害が限定的だったので、むしろ岩手、宮城より早く回復した可能性もある』等といったやり取りが行われた。

NPO法人Jin様からは震災後に0から花卉栽培を始めたことを伺い、ストックとトルコキキョウそれぞれのハウスの見学をさせていただいた。ストックは35月に咲く花で、当日はピンクの花が見事に咲いていた。トルコキキョウのハウスは機械化が進んでおり、自動潅水、温度調節、LED照射等を行っている。質疑応答では「(学生)今後「大輪」以外に売りは作っていく予定か」『(Jin)市場でも大輪かどうかが評価されるため、今後も大きい花を咲かせることを強みにしていく。大輪になるかどうかは品種+栽培方法で、大きくなるように栽培していく』など活発に行われた。

ご対応いただいた皆様、ありがとうございました。

来年度も浜通りでの活動、研究を継続して行ってまいります。

(震災後、自衛隊、警察、消防、地元建築業者等の行方不明者捜索に当たった方からの激励と、一次立ち入りの際地元住民、卒業生らが思いをつづった黒板)