9月21日 浜通りエクステンションツアー開催
令和4年度復興知事業の一環として浜通りエクステンションツアーを行い、12名が参加しました。見学先の一つに福島ロボットテストフィールドがあることもあってか、工学部からの参加者も多くみられました。
午前中に見学した福島ロボットテストフィールドは陸・海・空のフィールドロボットを主対象に、実際の使用環境を拠点内で再現しながら研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる、福島イノベーション・コースト構想に基づき、福島県が整備した一大研究開発拠点です。職員の本宮さんと本学未来科学技術共同研究センター鈴木高宏先生より概要説明、施設紹介を受けました。施設、フィールドともに利用者は増加しており、ドローン関係が70%に及ぶそうです。緩衝ネット付き飛行場は、屋内扱いになるため申請なしでドローンを飛ばすことができ、重宝されているとのことです。その後、開発基盤エリアの屋上に移動し、インフラ点検・災害対応エリア、水中・水上ロボットエリアの説明を受けました。また、東北大学製作小型EVバスで構内見学、トヨタオートボディとシーウォークの試乗体験をさせていただきました。
午後は㈱紅梅夢ファームを見学しました。佐藤社長より、法人化までの経緯をお話しいただき、ライスセンター、格納庫の見学をしました。営農支援システムKSAS(ケーサス)を導入しており、社員一人一人に貸与しているタブレットでその日の作業記録、進捗管理を行い、翌日朝にどこでどんな作業を行えばよいかわかる仕組みづくりを行っているそうです。その後所有する圃場にバスで移動し、農研機構の松波さん、宮路さんより大規模水田営農の支援技術や子実トウモロコシ生産について等お話いただきました。
元大冨地区長の渡部さんには、震災当時放射線量が高く、現在も除染土の仮置き場跡地としてそのままになっている場所も多い小高区山側の鳩原(はつぱら)地区と大冨地区の見学を車窓から行い、そのバスガイドをお願いしました。小高区で唯一地震の被害を受けなかった鳩原(はつぱら)小学校は震災の影響もあり廃校になったこと、震災前70世帯が暮らしていましたが、現在は17、8世帯ほどが戻ってきていて、増える予定はないこと、今後はソーラー発電所が乱立する予定だということ、もともと酪農が盛んな地域で、震災後は飼料作物を育てる農家が多いこと、郡山市の団体が補助金を利用して20haほどのサツマイモ畑をいくつも所有し栽培していることなど、様々なお話をいただきました。
参加者からは、「担い手不足にスマート農業で対応する実例は非常に興味深く、スマート農業の取り組みで魅力を高めて若者を集め、さらに魅力を高めるという好循環は非常に勉強になった」「学生のうちにこういった課題点を自分の目を通して知ることで、自分のできるかもしれないことの引き出しが広がるのだと思った」などの感想があげられました。
ご協力いただいた皆様、誠にありがとうございました。
(福島ロボットテストフィールドでシーウォークの説明を受ける参加者)