中国人観光客は 日本の国立公園のどんな魅力を重視しているか ― オーバーツーリズム緩和に向けた分析 ―

【本学研究者情報】
〇大学院農学研究科 准教授 井元智子

【発表のポイント】
・日本の自然観光に関心のある中国在住者750名を対象に、環境評価手法を用いて国立公園の魅力に関する意識を調査し、重視される要素を定量的に分析しました。
・その結果、交通や宿泊の利便性よりも、自然、文化・歴史、地域ならではの食や体験といった魅力が重視されることが分かりました。
・一方で、約4分の1の観光客は安全性を最優先しており、観光客の間に価値観の違いがあることが示されました。 ・本研究は、観光客の特性に応じた情報発信や資源活用を通じて、地方への観光分散と持続可能な国立公園管理に役立つ知見を提供します。
【概要】
近年、世界各地の自然観光地で、特定の地域に観光客が集中する「オーバーツーリズム」が課題です。日本の国立公園でも、外国人観光客の多くが一部の公園に集中し、地方の国立公園の魅力が十分に活かされていない現状があります。この課題解決には、観光客が何を重視して目的地を選んでいるのかを把握することが重要です。
東北大学大学院農学研究科の井元智子准教授らの研究グループは、日本の自然観光(ネイチャー・ツーリズム)に関心のある中国在住者750名を対象に、日本の国立公園の魅力に関する意識を調査しました。その結果、交通や宿泊の利便性よりも、自然や文化・歴史、地域ならではの食や体験を重視することが分かりました。一方で、安全性を最優先する観光客も一定数存在し、この違いは、年齢や性別、同行者の有無、求める体験内容、利用する観光情報源等の要因と関連していました。
本研究は、観光客の特性に応じた情報発信や資源活用により、観光分散と持続可能な国立公園管理への知見を提供します。
本成果は、2026年1月27 日に国際学術誌Journal of Outdoor Recreation and Tourismにオンライン掲載されました。


図1. 条件付きロジットモデルによる係数推定結果
注:「基本観光環境の整備」をダミー変数の基準としている

【論文情報】
タイトル:Foreign tourists’ preferences for destination attributes in Japan’s national parks: A best-worst scaling analysis.
著者: 殷子鈞、趙心童、井元智子*
*責任著者:東北大学大学院農学研究科 環境経済学分野 准教授 井元智子
掲載誌:Journal of Outdoor Recreation and Tourism
DOI: 10.1016/j.jort.2026.101014

詳細(プレスリリース本文)

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