遺伝子の機能制御メカニズムの一端が明らかに:ヒストンバリアントH2A.Zの分子機構
遺伝子のスイッチON/OFFなどの機能は、DNAとヒストンタンパク質の複合体であるクロマチンの構造によって制御されており、その仕組みはエピジェネティックスと呼ばれています。通常のヒストンタンパク質とは一部異なる構造をもつヒストンバリアントがクロマチンに取り込まれるかどうかによってもエピジェネティクス制御が行われます。分子生物化学分野の原田教授を含む国際共同研究グループによって、ヒストンバリアントの一つであるH2A.ZのC末端側の構造がエピジェネティクス制御に及ぼす影響を見出し、「Nature Communications誌」に発表しました。H2A.Zは植物の開花温度の制御に関連することや、ヒトでの変異は発がんなどにも関連することから、この発見が農学や医学の領域での応用に結びつくことも期待されます。
論文情報
タイトル:Epigenetic modulation via the C-terminal tail of H2A.Z
著者:László Imre, Péter Nánási Jr, Ibtissem Benhamza, Kata Nóra Enyedi, Gábor Mocsár, Rosevalentine Bosire, Éva Hegedüs, Erfaneh Firouzi Niaki, Ágota Csóti, Zsuzsanna Darula, Éva Csősz, Szilárd Póliska, Beáta Scholtz, Gábor Mező, Zsolt Bacsó, H. T. Marc Timmers, Masayuki Kusakabe, Margit Balázs, György Vámosi, Juan Ausio, Peter Cheung, Katalin Tóth, David Tremethick, Masahiko Harata & Gábor Szabó
雑誌名:Nature Communications 15, 9171 (2024)
DOI: 10.1038/s41467-024-53514-9
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-024-53514-9
公開日:2024年10月24日
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