氏名 青木 優和
職位 教授
TEL 022-757-4152
FAX 022-757-4155
Mail masakazu.aoki.e6*tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
専門分野 水圏植物生態学, 岩礁生態系生態学
経歴 早稲田大学教育学部理学科卒業、筑波大学生物科学系助手、筑波大学生物科学系講師、東北大学大学院農学研究科准教授を経て現職
Research map https://researchmap.jp/maple_e-315
研究内容

私が中心的な研究対象としてきたのは、沿岸岩礁域の大型褐藻類とそれらを包含する藻場生物群集です。藻場生物群集を構成する海藻および動物の個体群の動態解析、藻場生物群集自体の群集構造解析、海藻と動物の相互作用についての解析を主に行ってきました。また、それらの研究の過程において得られた知見を活かして、藻場の造成技術や海藻養殖法の技術的改良についてもアプローチを行っています。以下のような研究テーマがあります。

  1. ワレカラ類の分類と生態

    藻場生物群集内で魚類の餌生物として重要なワレカラ類についての分類学的および生態学的な研究を行ってきました。分類学的には2新種の記載などを行い、生態学的にはホンダワラ類の藻場に生息するワレカラ類が藻場の動態に対応した生活様式を取ること、種間で生活史戦略が異なることを明らかにしました。

  2. 海産フクロエビ類の生態

    ワレカラ類・等脚類・クーマ類・タナイス類などの海産フクロエビ類について、その繁殖生態や個体群動態についての研究を行うとともに、それらの研究を行う学生の教育に努めてきました。

  3. 褐藻カジメ・アラメの群落維持と藻場造成

    沿岸岩礁域で優占する褐藻類のカジメとアラメについて、現場における長期観測と野外実験に基づいて、その個体群維持機構を詳細に調べてきました。2011年の震災以来のモニタリングから、地盤沈下による自然撹乱と防波堤工事による人為的撹乱が深刻な影響をもたらしていることを実証しました。一方、胞子分散や幼体加入の過程については、遺伝子解析に基づく研究を行なっています。また、これらによって得られた知見を基にして、藻場造成を目的とした藻礁の開発も進めています。

  4. 海藻葉上動物群集の解析

    藻場葉上動物群集の時空間的変化の解析により、2011年の震災からの藻場生物群集の回復状況について、詳細な調査を行いました。また、葉上動物群集を藻場生物群集の現況を図るための指標として使えるようにするため、環境と群集組成との関係性解析についての研究も進めています。

  1. 植食性巻貝類の生態と海藻類との相互関係

    コシダカガンガラなど藻場において優占する植食性巻貝類が褐藻類の生活史にどのような影響を与えるかについて、野外での個体群解析および野外操作実験によって解明してきました。また、これらの巻貝類が海底堆積物の除去活動によって、海藻胞子体の生育初期と後期に異なる影響を与えることを明らかにしました。

  2. ワカメ養殖の効率化についての研究

    養殖ワカメの品質向上を図るため、養殖現場において青色光の照射を行い、ワカメの成長促進と色彩の向上を目指しています。

シーズ

特許取得

1) 特許第4601075号、2007年2月27日出願(出願番号:特願2007-046412) 2010年10月8日登録:貝類の移動制限方法、及びこれを利用した貝類の囲い込み法と排除方法

2) 特許第5168627号、2008年1月31日出願(出願番号:特願2008-020255)2013年1月11日登録:タナイス類を用いた生物検定方法

特許出願中

1) 特願2020-186360、2020年11月9日出願:水産養殖装置、水産養殖対象物の育成方法及び水中照明装置