氏名 堀籠 智洋
職位 准教授
TEL 022-757-4331
Mail chihiro.horigome.b7*tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
専門分野 クロマチン動態、DNA修復、細胞老化・若返り
経歴 広島大学生物生産学部生物生産学科卒業、広島大学大学院生物圏科学研究科博士課程後期修了。博士(農学)。日本学術振興会特別研究員、Friedrich Miescher Institute for Biomedical Research 博士研究員、東京大学分子細胞生物学研究所(2018年 改組により定量生命科学研究所) 助教を経て現職。
Research map https://researchmap.jp/10771206?lang=ja
研究内容

1. DNA損傷時のクロマチン動態

近年、DNAは細胞核の中を動き回る動的な存在であることが分かってきました。このようなクロマチン動態とその時空間的制御に興味を持ち研究を進めています。DNAは損傷を受けると細胞核内を激しく動きまわり、核膜まで移動して結合します。このような核膜への結合は、損傷部位での異常な組換えを抑制する役割を果たしています。私たちはゲノム中で最大の反復配列であるリボソームRNA遺伝子(rDNA)もまた、損傷を受けると核膜まで移動して安定化されることを明らかにしています。現在、DNA損傷の核膜移動の機構とその生理的な意義を明らかにしようとしています。

2. 出芽酵母を用いた老化・若返り機構の解析

出芽酵母をモデルとして、ヒトにまで保存された老化と若返りの機構を解明したいと考えています。酵母は約20回分裂すると死に至る、複製寿命を持っています。酵母においてrDNAを安定化させると、老化に伴う様々な表現型が現れないまま長生きすることが明らかになっています。私たちはrDNAの安定化の機構解明をとおして健康長寿社会に貢献することができると考え、研究を行っています。

酵母の細胞分裂の瞬間に注目すると、母細胞では分裂の度に余命が短くなるのに対して、娘細胞では寿命がリセットされる非対称分裂がみられます。これはヒトの幹細胞が分裂する際、幹細胞と分化細胞(の前駆細胞)が生み出される現象と類似しています。私たちは酵母の細胞分裂における非対称性に注目した研究を行っています。