氏名 桑原 重文
職位 教授
TEL 022-757-4435
FAX 022-757-4435
Mail shigefumi.kuwahara*tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
専門分野 有機合成化学,天然物化学
経歴 東京大学農学部農芸化学科卒業,東京大学大学院農学系研究科修士課程修了,東京大学農学部助手,茨城大学農学部助手・助教授,東北大学農学研究科助教授を経て現職
Research map https://researchmap.jp/read0060035
研究内容

生物活性を有する天然有機化合物の全合成 農薬あるいは医薬としての活用が期待できる天然有機化合物は,各種の生物資源から日々発見され続けていますが,多くの場合,得られる量が極微量であるため,その実社会への応用展開に向けた研究はもとより,詳細な生理作用の解明といった基礎研究さえ行われないまま埋もれてしまっています。そのような希少で有用な天然物を有機化学の理論に基づいて化学合成し,生物学者に提供して生物学的研究の進展を後押しするとともに,基礎学問としての有機合成化学の発展にも貢献したいと考えています。具体的には,農業生産技術の向上に寄与する可能性を持つ生物活性微量天然有機化合物(植物ホルモン,除草活性物質,殺虫性物質など),及び医薬の種となり得る微量天然有機化合物(抗生物質,抗ウイルス活性物質,抗がん物質など)の全合成研究を実施するとともに,構造活性相関研究を行って,天然物を原型とする新規農薬・医薬の創製を目指してます。同時に,新規な化学変換法の開発や簡潔な合成ルートの開拓など,有機合成化学に関する基礎的研究も行っています。

シーズ
  • 抗生物質amycolamicinの全合成

    広範な薬剤耐性菌に対する強力な抗菌活性を持つ抗生物質amycolamicinの全合成を達成しました。5つの異なる環構造が連結したハイブリッド構造を収束的合成手法により組み上げるとともに,Diels-Alder反応やN-グリコシル化反応に新知見を加えました。今後の構造活性相関研究により,新規医薬開発への展開が期待されます。

  • キノコの内因性子実体形成誘導物質strophasterol類の網羅的合成

    多くのキノコに内在し,子実体形成を誘導する作用を持つ変形ステロイド型化合物strophasterol類(A〜F)の網羅的合成を達成するとともに,立体構造の決定に成功しました。人工栽培が難しいキノコの工場生産に向けた応用研究が期待されます。