氏名 目黒 康洋
職位 助教
TEL 022-757-4436
FAX 022-757-4436
Mail yasuhiro.meguro.e6*tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
専門分野 有機合成化学、天然物化学、糖化学
経歴 東北大学工学部化学・バイオ工学科卒業、東北大学大学院工学研究科バイオ工学専攻修了、東北大学大学院農学研究科生物産業創成科学専攻修了(農学博士)、を経て現職
Research map https://researchmap.jp/yas-meguro
研究内容

生理活性天然物の全合成研究

医薬・農薬の開発は①天然物など、有用な生理作用を持つ薬剤候補物質の探索・選抜②合成による構造最適化③臨床試験を経て行われることが多く、②を担う全合成研究者はその中核的役割を果たせるはずである。このようにして開発された医薬品が人類と感染症の戦いに大きく貢献してきた。また、現在においても我々は足元に存在する微生物の数さえ正確に把握できていない。そのため、天然には想像以上の種類の微生物が存在しており、今後も医薬品化合物の宝庫となり続ける。そして、天然物の全合成研究は医薬品化合物の供給、天然物の構造決定、生合成経路の解明や新規有機化学反応の発見に大きく貢献しており、産業および学術の両面において重要な役割を果たしている。

シーズ

・前例のない構造様式と新規な作用機序を持つ抗生物質amycolamicinの全合成研究

Amycolamicin(AMM)は希少放線菌Amycolatopsis sp. MK575-fF5 が生産する抗生物質でありメシチリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA) およびバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)を始め極めて広範なグラム 陽性・陰性の薬剤耐性菌に対して強力な抗菌作用を示す。我々は5 つの環構造から構成されるAMMを3つのユニットに分割して合成し、最後に連結することで分子全体を組み上げる収束的合成法によりAMMの全合成を達成した。現在、構造活性相関研究を実施し、新規医薬リード化合物の探索へと展開している。

リンクURL: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.joc.9b00650

・無保護糖・水中でのグリコシル化による新規糖中間体グリコシルブンテ塩の創製と応用

我々は保護基を使用せず、且つ水中でグリコシル化を行うという、従来の常識を覆す方法の開発に取り組んだ。具体的には、無保護糖に対して脱水縮合剤の存在下、チオ硫酸ナトリウムを作用させることで、前例のないグリコシルブンテ塩が生成することを見出した。本反応は無保護オリゴ糖にも問題なく適用できる。更に、従来では多段階反応を必要としたグリコシルチオールをグリコシルブンテ塩に対して硫化ナトリウムを作用させることにより一工程で合成することに成功し、利用価値の極めて大きな画期的反応を開発した。

リンクURL: https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.orglett.7b03400