氏名 中野 俊樹
職位 教授
TEL 022-757-4166
Mail nakanot*tohoku.ac.jp(*を@に換えてください)
専門分野 水産化学、比較生理・生化学、水産食品学、魚類栄養学、環境生化学
経歴 東北大学農学部水産学科卒・東京水産大学(現 東京海洋大学)大学院水産学研究科博士課程前期修了(食品生産学専攻)・農学博士(東北大学)取得・東北大学農学部助手、同大学院助手を経て現在に至る。その間、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学・WHO国際がん研究機関(IARC、フランス)・カナダ国立ウエストバンクーバー研究所・カナダNRC国立海洋生物科学研究所にて客員研究員。
Research map https://researchmap.jp/nakanot?lang=ja
研究内容
  1. 成育環境が魚類に及ぼす生化学的な影響評価とその応用 
    気候変動、疾病、化学物質などが複合した環境ストレスは、漁獲量や養殖生産性そして品質に影響します。その影響を遺伝子、細胞および個体レベルで検討し、魚類体内で誘導される環境由来ストレスの多くが酸化ストレスであることを明らかにしました。これらの成果は健康な養殖魚の育成と品質向上への応用が期待されます。
  2. 水産物の生理活性物質の解明
    脂溶性色素カロテノイドの一種アスタキサンチンはサケ筋肉の赤色源ですが、そのものにストレスによる魚類の組織傷害と品質向上の効果があることを明らかにしました。さらに、その関連総説をオランダ・ワーゲニンゲン大学の教授と発表しています。また、海藻より作出したペプチドに血圧の降下・正常化作用を発見し、サプリメントとして商品化されています
  3. 水産物の品質等に関わる新規評価法と加工法の開発
    新型バイオセンサにより採血を伴わず非侵襲的かつ遊泳状態でリアルタイムに魚類のストレスを見える化しました。また、理化学研究所SPring-8の放射光X線CTにより非破壊的に水産物成分を可視化し、水産物におけるナノレベルの品質評価の可能性を示しました。さらに、新規の電磁波周波数を応用した水産物の加工法や高品質解凍法の開発にも取り組んでいます。
シーズ
  • 「魚類のストレスとカロテノイドの生理活性」に関する総説が洋書として刊行

アメリカJohn Wiley & Sons Publicationsより「Encyclopedia of Marine Biotechnology」が2020年に刊行、その中に標題総説が収録されました。この書籍は全5巻、146章からなり、世界中から研究者が参集し分担執筆したマリンバイオテクノロジー分野の集大成といえます。

リンクURL: https://www.wiley.com/en-us/Encyclopedia+of+Marine+Biotechnology%2C+5+Volume+Set-p-9781119143772

  • 「水産分野における放射光の利用」

我々は東北大学青葉山キャンパス内に建設中の次世代放射光施設の水産分野における利用を目指しています。その利用の可能性に関する英文総説がアメリカCRC Press/Taylor & Francis より「Handbook of Marine Biochemistry」として刊行予定、また和文総説がアグネ技術センターより「放射光利用の手引き」として出版されています。