氏名 盧 尚建
職位 教授
TEL 022-757-4122
FAX 022-757-4124
Mail sanggun.roh*tohoku.ac.jp (*を@に換えてください)
専門分野 反芻動物生理学、代謝内分泌学
経歴 韓国ソウル大学校農業科学大学畜産学科卒業・同大学農業生命大学大学院修士課程(動物資源科学専攻)修了、岩手大学大学院連合農学研究科(生物生産科学専攻)博士課程修了、Prince Henry's Institute of Medical Research博士研究員、信州大学農学部准教授、2009年4月から准教授、2021年4月から現職
Research map https://researchmap.jp/sanggunroh?lang=ja
研究内容
  1. 反芻動物の代謝・内分泌ネットワーク調節因子の探索
    生体には消化管が食餌成分を認識し、下垂体を初めとする種々の内分泌腺に情報を伝達する精巧なシグナル伝達機構が存在する(GI tract-endocrine axis)。離乳期の仔動物においては、食餌が液状のミルクから固形物へ変化する時期であり、消化管は顕著な物理的・化学的変化にさらされる。同時に、これらの変化に対応するための消化管機能や摂取する食餌成分の変化に対応した内分泌機能にどのような変化が生じるかを研究している。また、家畜の体内で脂質蓄積、糖脂質代謝と内分泌ネットワークに重要な役割をするアディポカイン(Adipokine)とヘパトカイン(Hepatokine)について生体内で調節機構を明らかにし、黒毛和種牛と乳牛の栄養管理(健全性の向上)への新たな方向性を示す研究を行っている。
  2. 反芻家畜のルーメン内の恒常性維持に関連する研究
    反芻動物のルーメンは、ヒトやマウスなどの単胃動物と異なり、飼料の発酵に重要な役割を果たしている器官である。特に、仔牛の離乳前後における適切な栄養・飼養管理によるルーメン発達を促すことは重要であり、丈夫なルーメンづくりとは、その容積とともに筋肉層と上皮層(第一胃乳頭・絨毛)の両方を発育させることである。しかしながら、哺乳期と離乳後にルーメン絨毛(上皮層)の分化・形成のプロセスに関する詳細な機構は明らかにされてない。特に、反芻動物のルーメン(特にルーメン上皮組織)発達に関わる関連遺伝子の解析や外因的な因子による制御機構については殆ど研究がなされていない。 そこで、本研究は次世代シーケンサーを用いてウシのルーメン絨毛組織の形成・発達に関連する候補遺伝子を選別し、多様な飼養条件(エピジェネティクス制御)で得られたウシのルーメン絨毛組織において遺伝子の機能と解析を行うものである。これらの研究成果は反芻動物のルーメン絨毛組織の形成、増殖と成長に関する新しい科学的な知見を提供し、反芻動物のルーメン機能の発達が適切に促され、その後の健全な成長と生産性の向上に寄与することができる。
シーズ
  • 肉用牛と乳牛の生理・生体情報を利用した生産性と健全性向上への応用技術

哺乳期、離乳期、育成期、肥育期、泌乳期に得られる生理・生体情報を有効活用し、産肉性や泌乳などの生産性と疾病予防への健全性向上に応用する。特に、血液由来の代謝産物やホルモンなどの生理的な情報と、また非侵襲的な手法を用いて得られる生体情報を融合し、生産性の予測や疾病予防への基盤技術を開発する。

  • 牛の栄養・代謝を増進するためのルーメン健全化技術の開発

反芻動物のルーメン内の安全性と恒常性に関連する要因と因子を特定し、応用技術を開発する。