分野の歴史

 畜産学第一講座として開設され、九州大学農学部教授・橋本重郎(ニワトリ雛の雌雄鑑別法を開発)が初代教授として昭和22年に着任し、その後、わが国最初の受精卵移植による個体の作出に成功した。

 昭和34年、新潟大学農学部教授・竹内三郎が橋本教授の後任となり、ウシの性周期の同期化、卵子や妊娠の生理について黒崎順二(後に宮崎大学教授)、佐久間勇次(後に日本大学教授)、清水寛一(後に筑波大学教授)、豊田裕(後に東京大学教授)、高橋寿太郎(後に岩手大学教授)とともに研究を行った。

 昭和38年、講座名が「家畜繁殖学」と改称された。昭和50年に正木淳二が農林省畜産試験場より教授として着任し、菅原七郎助教授とともに、哺乳類の卵子・精子、性行動に関する研究を行った。

 平成3年、菅原七郎が教授に昇任し、梅津元昭助教授、佐々田比呂志・松本浩道助手とともに哺乳類の卵子、精子、内分泌に関する研究を行った。

 平成4年、講座名が動物生殖科学講座と改称になり、さらに平成9年、大学院重点化により動物生殖科学分野となった。同時に、東京大学医科学研究所より佐藤英明が教授として着任し、卵子の形成・死滅・成熟の分子メカニズムを中心として研究を行っている。

 平成12年以降、梅津元昭助教授、松本浩道助手、三好和睦、木村直子、山内伸彦、吉田徳之、清水隆、横尾正樹博士研究員が、それぞれ宇都宮大学教授、宇都宮大学助教授、九州大学助教授、大阪市大助手、東北大学加齢医学研究所助手、東北大学先進医工学研究機構助手で転出した。

 平成13年に佐々田比呂志が助教授となり、平成19年には学校教育法の一部改正に伴う「大学の教員組織の整備」による新教員体制を踏まえ、佐々田比呂志は准教授となるとともに、研究・教育において独立し、平成22年4月、北里大学教授に転出した。

 平成19年には星野由美が助教となり、また平成23年には種村健太郎(国立医薬品食品衛生研究所・主任研究官)が准教授になり、佐藤英明と協力して研究・教育を行うこととなった。なお、星野助教は平成23年からStanford大学(米国)のVisiting Assistant Professorを兼任している。

 佐藤英明は、Journal of Reproduction and Developmentの編集委員長としてISI Current Contentsへの掲載に努力し、平成14年に実現した。平成14年にはスウェーデン農科大学獣医学部、平成15年にはラキュラ大学実験医学部(イタリア)と学術交流協定を締結した。

 研究室の伝統である卵子研究について「生殖工学のための講座、卵子研究法」(鈴木秋悦と共編、養賢堂、平成14年)、哺乳類の卵細胞(朝倉書店、平成16年)を出版した。また、「動物発生工学」「動物生殖科学」(いずれも朝倉書店)と題する教科書を編集した。さらに平成15年には「アニマルテクノロジー」(東京大学出版会)、平成16年には「哺乳類の卵細胞」(朝倉書店)、平成21年には「畜産学の視点-畜産学の立脚点を考える」(畜産技術協会)を出版し、家畜生産技術や卵子研究の歴史、現状、近未来について紹介するとともに、研究の立脚点について考えを述べた。また、日本繁殖生物学会理事長(平成15-18年)、日本畜産学会理事長(平成19年-21年)、日本受精着床学会理事長(平成18年-22年)、日本生殖再生医学会副理事長(平成21年-)The Open Anatomy Journal(Bentham Science)編集委員長(平成20年-)を務めた。また、平成15年に発行された「わかる!学問 環境・バイオの最前線 大学・研究者ランキング(河合塾編著、角川書店)で佐藤教授は達人と紹介されるとともに研究室が発生工学・生殖工学部門でトップ3の1つに選出された。

 佐藤英明は、朝日新聞WEEKLY「AERA」(平成16年2月2日)の「いい大学先生で選ぶ 理系文系100選」で理系50人の1人で選ばれ、平成17年には日本農学賞・読売農学賞、平成18年にはアジア大洋州畜産学会賞を受賞するとともに、平成20年には東北大学ディスティングイッシュトプロフェッサーに任命された。さらに平成21年春には紫綬褒章を受章し、平成23年春には東北大学総長教育賞を受賞した。

 佐藤英明は平成25年に定年退職し、同年より家畜改良センター理事長となった。また、佐藤英明は同年に日本学士院賞を受賞した。

 平成26年に種村健太郎が教授に昇任し、また平成27年には原健士朗(基礎生物学研究所・助教)が准教授として着任し、種村健太郎と協力して研究・教育を行うこととなった。


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