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企画展解説 <3. 世界の土・日本の土>

 全体の見通しのために、ここで世界の土と日本の土を単純化して見ておきます。

 図1は米国の分類により世界の土を12種類に色分けして示した図です。この図の色分けは実際の土の色とは関係ありません。この土の分類では数多い性質の中から区分に有効な特徴をえらんで使っています。青色で示した土は永久凍土をもつ土で、おもに極付近やチベットにあります。ピンクで示した土は有機質でおもに沼地などの湿原にあります。うす紫色はおもに寒冷地の針葉樹林帯にあり、白っぽくなった漂白層の下に腐植・アルミニウム・鉄の集積した層をもつ土(ポドソルまたはスポドソル、後述)です。黒色はおもに火山灰を材料とする土で、写真1の黒ボク土に相当します。赤色は強度に風化の進んだ土で、写真1の赤色土に相当します。茶色は雨期に膨潤し、乾期に収縮する性質の強い土です。うす黄緑色は沙漠の土で、地球上に広く分布します。橙色は土に含まれる微細な鉱物(粘土)の移動・集積があり、酸性の土で、写真1の黄色土にはこれに近いものもあります。緑色は黒色で自然条件でも比較的肥沃な土です。水色は粘土の移動・集積がありますが、酸性化していない土です。黄緑色は下層が弱く風化した若い土です。クリーム色はその他の土で、一般には黄緑色で示した土よりさらに若く、土の特徴が未発達です。写真1の新しい火山灰もこれに相当します。

図1:世界の土壌分布図 クリックすると拡大

 わが国の土(図2)は世界の土にくらべると褐色森林土(「世界の土壌分布図」では黄緑色で示した土)が断然多く、つぎに黒ボク土(図1では黒色で示した土)、沖積土(図1ではこれも黄緑色または薄茶色で示した土に含まれ、写真1のグライ低地土もこの中に含まれます)が多くあります。

図2:日本の土壌資源図 クリックすると拡大
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