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専門分野 水圏動物生理学 の、長澤一衛 博士へのQ&Aです。

Q1.その水圏動物生理学について簡単に紹介してください。

    水の中に生息する動物のあらゆる生理学を研究する幅広い分野ですが、私は特に二枚貝類の生殖生理学について研究をしています。ホタテガイ、マガキ、ハマグリなどの二枚貝類がどんな生殖機構を有するのかを分子に注目して研究を行っています。この知見を応用することで、水産増養殖の中でも種苗生産の技術開発に貢献することを目指して研究しています。

Q2.水圏動物生理学の研究者になった決め手は何ですか?

    水の中の生き物がやっぱり気になる性分だからです。加えて個体を創造できる生殖細胞に興味があり、今後も魚や貝の生殖を研究し続けたいという思いがあったからです。

Q3.では、子供の頃になりたかった職業は何ですか?

    恐竜の化石や、ピラミッドの発掘調査をする仕事をしたいと思っていました。

Q4.ご自分を動物に例えるなら、何だと思いますか?

    馬っぽい(顔が)とよく言われますが、自分では総合的にリクガメと思っています。今、ロシアリクガメを飼っています。

Q5.最近の一番うれしかったことを教えてください。

    ある受容体分子の発現を可視化できたことです。やっぱり実験で有意義な結果が得られたときがいつも一番嬉しいです。多くの研究費を投入しているときは、結果が得られると正直ホッとします。

Q6.では、最近の失敗談を教えてください。

    Tシャツをまとめ買いしたら、全部サイズを間違って買ってしまいました。

Q7.海外での経験をお聞きします。今までに訪問したことのある国を教えてください。

    中国、韓国、フィリピン、カンボジア、タイ、インド、イギリス、フランス、イタリア、ギリシャ、スペイン、ポルトガル、オランダ、ノルウェー、フィンランド、デンマーク、スウェーデン、ブラジル、エジプト、ハワイ、タヒチ、オーストラリア(何故かアメリカに行ったことがありません。)

Q8.その中で、1番気に入った国はどこですか?

    やっぱりイタリアが好きです。

Q9.それはどういうところでしょうか?

    食事のレベルが非常に高いところです。どこで何を食べても完成度が高いです!

    (マッシュルームのリゾットとジェラートアイス@フィレンツェ)
 

10.おいしいな、と思った料理(食べ物)は何ですか?

    ノルウェーで食べたタラの舌のフリッターです。ムニョムニョした独特の食感でまた食べたくなる一皿です。

    (鮮魚店でタラの舌を購入し、小麦粉と塩コショウをつけてバターでこんがり焼きます。)

Q11.おいしそうに見えたのに、食べたらがっかりしたものはありましたか?

    う~ん、無いです。エジプトで食べたハト、中国で食べたカラスやコロソマ、ノルウェーのオオカミウオなど一見不味いように思えますが、どれも大変美味でした。

Q12.海外滞在中に、再発見した日本(日本人)のよいところはありましたか?

    日本が本当に便利な国であるいうことです。これは偏に日本人の勤勉さと強い責任感に支えられた社会システムが成立しているからです。一方で、日本人は人間として大切な何かを犠牲にしているとも感じています。ノルウェーの人々は家族の時間をとても大切にします。日曜日はほとんどのお店は開いていません。国民みんなにとっての休日だからです。私は渡航当初それを非常に不便に感じましたが、それでもいいのだ!と思うようになりました。日曜日に卵や電球が買えなくても明日死なないではないですか!ノルウェーの人々がみな裕福な暮らしをしているとは思いませんが、私は彼らがみな高い幸福度をもって生きているように感じます。現在の日本の姿は利便性と経済発展を追求した結果ですが、今後は個人の幸福度を大切にした社会や国民性が育まれていけば新しい日本社会が生まれるのではないかと期待しています。

    (冬は帰宅中によくオーロラに遭遇しました。)

Q13.旅行(観光)に行くなら、お薦めの国はありますか?

    ギリシャのサントリーニ島イオです。ギリシャのサラダもオススメです。

Q14.今、目の前にドラえもんの道具、「どこでもドア」があったら、どこに行ってみたいですか?

    アマゾン川のパンタナールです。天然水族館と呼ばれる川でシュノーケリングがしてみたいです。

Q15.食生活についてお聞きします。好きな料理や料理ジャンルは何ですか?

    そば、スパゲッティとラーメンなど麺が好きです。小野式製麺機とパスタマシンで製麺もします。タイ料理とフィリピン料理も好きで留学生からレシピを教えてもらい、自宅でもよく作ります。

Q16.子供時代には嫌いだったけれど、大人になって好きになったものはありますか?

    イカの塩辛とウニが苦手でしたが、いつからか美味しものの仲間入りをしていました。

Q17.また、今でも苦手なものはありますか?

    ホヤ(生)はやっぱりまだ美味しくいただけません。

Q18.最後の晩餐に、是非とも食べたいものを教えてください。

    脂のしっかりのったブリの刺し身です。

Q19.今、1か月の休暇が取れることになりました。どのように使いますか?

    息子達と無人島に行って、1ヶ月間サバイバル生活がしたいです。

Q20.今後、研究者として、どのように過ごしていきたいですか?

    二枚貝類の生理学を研究する人間は非常に少ないです。これを研究できる境遇にある自分は本当にラッキーだと思います。サイエンスの神様からのチャンスにしっかりと応えられるよう、二枚貝類の生理学教科書に載るような生命現象の基礎的知見を一つでも多く発見したいです。同時に、二枚貝類の増養殖技術の発展に資する研究も展開していきたいです。

Q21.最後になりましたが、食の安全性とは、何だと思いますか?

    つまるところ、人類が積み重ねてきた(積み重ねていく)膨大な食経験だと思います。マウスやウサギ用いた食品の安全性試験は参考にはなりますが、やはり人間の代謝経路や生理反応とは異なります。また食物アレルギーのように食品の安全性は個人の間でその捉え方も変化します。私たち研究をする者ができることは、これまでに得られた食経験に対し、定量可能な安全性の指標となる物質をいち早く同定し、これらの指標をもとにした評価基準を設定することです。またこの安全基準は今を生きる人類の形質や地球環境に合わせて適宜変化させていく必要があると考えています。人口増加に伴う食糧問題が深刻化すれば、未利用資源も積極的に食品として利用し、遺伝子組み換え食品等の利用も前向き検討していく必要があると個人的には思います。
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