VOICE: Plant Science [No. 012] 高塚歩さん(環境適応植物工学分野 博士後期課程2年/JSPS特別研究員DC)

植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら

今回は、環境適応植物工学分野 博士後期課程2年の高塚歩さんにお話を伺います。よろしくお願いします。

高塚歩さん(環境適応植物工学分野 博士後期課程2年/JSPS特別研究員DC)

現在どんなご研究をなさっているか教えてください。

 私は、品種改良に応用可能な植物の性質について研究しています。具体的には、細胞内のミトコンドリアというエネルギー生産工場がもつ遺伝子がどのようにして雄しべの発達を阻害しているのかを解明することを目的としています。栽培施設で材料のイネを育て、そのイネからDNAやタンパク質などを取り出して、遺伝子工学、生化学的な実験を行うことで、未知の分子メカニズムの解明に迫っています。

写真/イネの花が咲いて、雄しべが露出する様子。形を観察して、ここから各種分子を抽出します。

博士後期課程に進学した理由・きっかけを教えてください。

 修士課程の時に、なんだかんだ研究活動が好きだなと思えたことが大きいと考えています。その上で、当時の研究内容をよりブラッシュアップさせたいと思いそのまま博士後期課程に進むことにしました。正直なところ、今後のキャリアなどにも不安がありましたが、当時学会で先生方がお話しされている姿に憧れ、指導教員の先生や共同研究先の先生方にも恵まれ進学を決断することができました。進学した現在は、大変なこともありますが楽しく自由に活動させていただいており、進学してよかったと思っています。

写真/顕微鏡を使って、イネのミクロ構造を観察している様子。色々な形を観ることができて楽しいです。

研究の息抜きになるような趣味はお持ちですか。

 休日は、読書したり映画を見たりして気分転換になっています。日頃は自然科学研究に従事している反動で休日は文学や芸術などに触れています。時には元気をもらったり、時にはカタルシスを感じたり、また時には現実逃避をしたり…。昨年度は、面白くて一気見していたシリーズ映画のロケ地に、たまたま国際学会のツアーで行くことができました。そのためというわけではないですが、今後も出張の際には滞在地ならではの聖地巡礼ができたらよいなと思いながら作品を選んだりもしています。

写真/国際会議のツアーで訪れたタイの島。映画ではここで銃撃戦が行われていました。

将来の夢を教えてください。

 漠然とした夢ですが、「これが私の研究だ」と言えるようなテーマを見つけて、日本、世界の人たちの生活改善に貢献できるような研究活動をしたいです。現在の研究テーマも大変面白いものですが、将来はここで得られた経験も活かして、バイオテクノロジーの発展や食料課題の解決などに向けて何かできたらと考えています。今後は農学・生命科学分野での研究活動を軸に、さまざま研究分野にも触れていけたらと思います。

写真/所属する環境適応植物工学研究室のメンバー。研究からイベント事まで楽しくやっています。

ありがとうございました。博士後期課程の方ならではの、研究と苦楽を共にする生活が垣間見られました。JSPS特別研究員は研究者の登竜門ですから、その立場で研究をするのは張り合いのあることだと思います。ますますのご活躍を楽しみにしています。

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