VOICE: Plant Science [No. 026] 伊藤睦さん(応用昆虫学分野 博士前期課程1年)

植物生命科学コースの学生・卒業生/修了生・教員の声をお届けするインタビュー記事です。月一回くらいの頻度で更新予定です。→記事一覧はこちら

今回は、応用昆虫学分野 博士前期課程1年の伊藤睦さんにお話を伺います。よろしくお願いいたします。

伊藤睦さん(応用昆虫学分野 博士前期課程1年)

面白い写真をありがとうございます!早速ですが、現在どんなご研究をなさっているか教えてください。

 タマナギンウワバとハスモンヨトウという夜行性のガ類の光防除の研究をしています。これらの幼虫は、作物を食べることで農作物を駄目にしてしまいます。害虫の防除によく用いられる農薬は、環境への悪影響を及ぼしたり作物に残留してしまったりする可能性があります。そこで、このような問題が生じない「光」を使う防除が重要視されています。私は、成虫の産卵数を減らすことを目的として、ヤガ類成虫の活動性と光条件の詳しい関係性について調査を進めています。

彼らの生存戦略である夜行性を標的にするイメージでしょうか、面白いですね。この研究領域/分野を選んだ理由を教えてください。

 私は、もともと生き物の行動生態に興味がありました。しかし、直接的に社会で役立つような研究をしてみたいとも思っていたので、応用昆虫学分野での光防除の研究がとても魅力的に感じました。ところが、幼いころからイモムシが苦手だったので、昆虫について研究することが不安でした。そんな中、授業や学生実験を通して、昆虫に関わる研究の面白さを実感しました。この面白さは昆虫への苦手意識を吹き飛ばしてくれました。このような流れを経て、私はこの応用昆虫学分野を選びました。幼いころの自分が、今の私は日々イモムシの世話をしていると知ったらびっくりすると思います笑。

写真/育てているタマナギンウワバの幼虫です。育てているとなぜかかわいく見えてきます…

もはや虫好きですね(笑)植物生命科学コース/講座の魅力を教えてくださいますか。

 植物コースの魅力の1つは、圃場で作物を育てられることだと思います!学部3年では、学校の畑で各々が好きな野菜を栽培する授業があります。野菜を育てること自体が楽しいのはもちろん、友人と作った野菜を交換したのが思い出に残っています。もらった野菜は料理に使って、その写真を送り合ったりしていました。自分が作った野菜を友人がおいしい料理にして楽しんでくれるのがとても嬉しかったです!!

写真/栽培した落花生を炒めている写真です。

料理の写真を送りあうのは楽しいアイデアですね!最後に、将来の夢について聞かせてください。

 将来は人々の食を支える手助けをしたいと考えています。現在は環境に優しい害虫防除について研究しているので、環境に配慮した持続可能な食料生産について興味があります。農学部での学びを通して、食料生産に関わる環境負荷について様々なことを知りました。農業は一見自然に優しく見えますが、実際は環境汚染や温室効果ガスの発生を引き起こしてしまいます。この問題を解決することが、今後の世界の食料生産を左右すると思います。そのため、環境と食料生産を守ることに貢献したいです。

そうですね、農業は豊かな生活に直結するものですが、持続可能なやり方にはまだまだ工夫の余地があります。研究の発展とご活躍を楽しみにしています。今日はどうもありがとうございました。

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