訃報 遠藤章博士(東北大学特別招聘プロフェッサー)
東北大学特別招聘プロフェッサーである、遠藤章博士が6月5日にご逝去されました。
遠藤博士は、1957年に東北大学農学部農芸化学科を卒業後、三共株式会社に入社し、研究開発に携わる傍ら、1966年に本学において農学博士の学位を取得されました。
遠藤博士は、血中のコレステロール値を下げる画期的な物質「スタチン」を青カビから発見し、高コレステロール血症治療薬の開発の道を拓いた研究者です。スタチンは世界中の患者に投与されており、ペニシリンと並ぶ奇跡の薬とも言われています。その功績が顕著であることから、2008年にアメリカ医学界最高の賞とされるラスカー臨床医学研究賞など数々の賞を受賞されるとともに、2011年度(平成23年度)には文化功労者に選出されました。遠藤博士のご研究は、長年にわたる農芸化学・分子医学の先駆的な研究成果として多くの研究者に影響を与え、これらの分野の発展に大きく貢献されました。
また同氏は、本学、特に農学研究科の多くの研究者と親交があり、2007年から本学の特任教授として、2020年から東北大学特別招聘プロフェッサーとして、農学研究科で特別講演をいただくなど、学生教育、若手研究者の研究指導、関連分野の研究者との交流など貴重な活動を行っていただきました。
ご生前の東北大学ならびに農学研究科の研究・教育へのご貢献に深く感謝いたしますとともに、ご功績を偲び、謹んで遠藤章博士のご冥福をお祈りいたします。