この海にはどんな生物がいるのかをその場で検出 学際的研究チームによる環境DNAのオンサイト分析

あらゆる海洋生物は、自身のDNAを含む痕跡を海水中に残します。そのようなDNAは環境DNAと呼ばれ、少量の海水のサンプルから検出可能です。また、近年の分子シーケンシング(配列決定)技術や携帯型のDNAシーケンサーの進歩により、野外において海水を分析して環境DNAが検出できるようになりました。

今回、東北大学大学院農学研究科のエイムズ准教授が率いるスミソニアン国立自然史博物館、カリフォルニア工科大学、米国海軍研究所、および、アメリカとブラジルの大学の研究者達からなる研究チームは、携帯型シーケンサー、ノートパソコンなどで構成される携帯式環境DNAシーケンシングキットを開発しました。遺伝子配列データベースをノートパソコンに保存することで、インターネットが利用できない野外においても、調査地に棲む生物種を同定することが可能になり、従来の方法では発見できない生物種も検出できることが実証されました。将来、海水浴場での『危険なクラゲ予報』のようなスマートフォンのアプリケーションの実現につながる技術です。

本成果は、Frontiers of Marine Science誌に4月13日に掲載されました。

プレスリリース(東北大学ホームページ)