亜高山帯林での枯死木分解に気候が与える影響を予測

高山帯〜亜高山帯の山岳地帯の生態系は気候変動の影響を受けやすいと言われており、近年、樹木の大量枯死が頻発しています。枯死木は分解に伴い二酸化炭素を放出しますが、山岳地帯における枯死木分解が気候によってどう変化するかについては、ほとんど知られていません。

東北大学大学院農学研究科の深澤遊助教らの研究グループは、本邦中部山岳地帯の亜高山帯を代表する樹種であるトウヒの枯死木内部の菌類群集を網羅的に調査し、リグニンを分解しない褐色腐朽菌の多様性や発生頻度が気温と正の関係、降水量と負の関係を持つことを明らかにしました。

これは、同グループがすでに報告している気候とリグニン蓄積の関係を支持する結果であり、気候変動による山岳地帯の生態系の変化を予測する基礎的なデータとなります。

本研究成果は2021年6月16日(水)に国際誌「Canadian Journal of Forest Research」で公開されました。

プレスリリース(東北大学ホームページ)