ナラ枯れが枯死木分解を遅らせる可能性を指摘 ナラ枯れが森林からのCO2放出に与える影響への示唆

ブナ科樹木萎凋病(通称「ナラ枯れ」)は、全国的にコナラ属樹種の大量枯死をもたらしています。枯死木からは分解に伴いCO2が放出されるため、樹木の大量枯死は森林からのCO2放出量を増やすと予想されています。しかし、分解に関わる菌類群集への影響はわかっていません。

東北大学大学院農学研究科の深澤遊助教らの研究グループは、北海道から九州までの7か所で、生きたコナラの幹の内生菌群集を調査し、ナラ枯れの発生している森林では、木材分解力の強い白色腐朽菌のいくつかの種の発生頻度が減少することを明らかにしました。この結果は、ナラ枯れ発生地のコナラは少なくとも分解初期では分解が遅くなる可能性を示唆しています。

本研究成果は2021年7月14日(水)に国際誌「Fungal Ecology」で公開されました。

プレスリリース(東北大学ホームページ)