伴戸寛徳特任助教(動物環境システム学分野)が「第20回日本農学進歩賞」を受賞

伴戸寛徳特任助教(動物環境システム学分野)が、「人獣共通感染性原虫の寄生メカニズムに関する研究」に関する業績により、公益財団法人 農学会より、第20回日本農学進歩賞を受賞しました(2021年11月)。日本農学進歩賞は、人類と多様な生態系が永続的に共生するための基盤である農林水産業およびその関連産業の発展に資するために、農学の進歩に顕著な貢献をした者に授与される賞です。

寄生虫であるトキソプラズマは、ヒトや畜産動物を含む全ての温血動物に感染することができる、トキソプラズマ症の原因となる人獣共通感染性の原虫です。トキソプラズマ症はヒトにとっても、畜産動物にとっても重要な感染症であり、畜産動物への感染は流産や死産を引き起こすため、農畜産業にも多大な経済的損失をもたらしています。しかし、未だに予防薬や根治治療薬の開発には至っていません。

伴戸特任助教は本研究において、哺乳細胞内においてトキソプラズマの排除に関わる新規の免疫応答を発見し、そして、その宿主免疫応答を回避するトキソプラズマの病原性機構も解明しました。さらに、その寄生メカニズムを逆手に取ることでトキソプラズマの感染を制御できる、新規の創薬標的分子を発見しました。これらの研究成果は、新規の抗トキソプラズマ薬の開発に貢献することが期待されます。本受賞は、これらの研究業績が農学の進歩に顕著に貢献するとして評価されたものです。

関連URL (公益財団法人農学会):
http://www.nougaku.jp/index.html

伴戸寛徳

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伴戸寛徳
東北大学大学院農学研究科
複合生態フィールド教育研究センター
動物環境システム学分野
〒989-6711 宮城県大崎市鳴子温泉字蓬田232-3
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