黒毛和種の肥育期における生理・生体情報の有効活用 -高品質かつ持続的な牛肉生産への応用-

黒毛和種は、日本固有の肉用種であり、国内で飼養されている和牛の多くが黒毛和種です。黒毛和種は、脂肪交雑(霜降り)の評価が高く、高品質牛肉として世界的に注目されており、輸出量が年々増加しています。黒毛和種を牛肉として出荷するには約30カ月の飼育期間が必要で、生後8~10カ月まで子牛を哺育・育成し、さらに約20カ月の肥育期を経てようやく出荷できます。

東北大学大学院農学研究科の盧尚建教授のグループは、兵庫県立農林水産技術総合センターと共同研究で、黒毛和種の肥育前期、中期、後期にて得られる血中代謝産物、ホルモン、アミノ酸プロファイル、ルーメン液性状および肝臓トランスクリプトーム解析などの生理的な代謝情報と発育・産肉成績との関連性を解明しました。これにより、高品質牛肉生産のために必要な代謝状態を、各肥育期間で評価することが可能となりました。

本研究成果は、2022年3月7日に国際科学誌Scientific Reportsオンライン版で掲載されました。

プレスリリース(東北大学ホームページ)